子宮体がん体験記 診断書
生命保険にバッチリ入っていた私は、入院給付金を請求するために病院に診断書の依頼をしていた。
それが出来たというので、ガンセンターへの紹介状を取りに行くついでにその診断書ももらってくることにした。
紹介状は封をされて中を見ることは出来ないが、診断書は裸のままなので丸見えだ。
どれどれ、どんな事が書いてあるのかな?と興味本位で見てみると病名のところにバーンと『子宮体癌』と書いてある。
そして本人への告知有りに丸してあった。
あれで私、告知受けたって言えるのだろうか……。
そうか、私は子宮体癌だったのか。
生命保険会社への提出用の診断書を見て、初めて私は自分が子宮体癌である事を知ったのだった。
まぁ自分で色々情報を集めていたから、たぶんそうだろうとは思っていたけど改めて診断書に書かれているのを見ると、やっぱり軽くショックを受ける。
まぁとにかく癌だって診断されたんだから、入院給付金だけじゃなくて癌だと診断されたらもらえる、診断給付金も請求できるって事よね。
良かった、ン百万円入ってて。
癌なんだというショックはもちろんあるけれど、大きなお金が入ってくるという事が思っていた以上に心の支えになった。
診断書といえば、会社用の診断書も書いてもらわなくてはいけない。
最初にガンだと告知された時には、仕事を続けられるかも分からなかったので場合によっては退職も考えて上司に連絡した。
そうしたら会社側では、治療の間休んで治療が終わったら復帰してくる事を当たり前のように考えているようだったのだ。
それはまぁ、ありがたい事ではある。
けれどそのために上司から言われた『診断書にかいてもらうべきこと』は治療中という事だけではなく、その後に完治についても書いてもらわないと復帰出来ないと言うのだ。
「いや、あのね、私ガンだったわけ。治療もこれからだし手術だってするしいつまで生きられるかとかも分からないのよ?なのにもう完治と書いてもらう話までされてもねぇ。というか私完治出来るの?」
と言いたかったが言えるはずもなく、とにかく休むための診断書をまずは書いてもらう事となった。