気分が落ち込んでいるときにさらに気分を落ち込ませたいときに読んだり見たり聞いたりする作品
前文
人生は妥協の踏み固めで出来ている。なんて言葉が思い浮かんだのでとりあえず置いておきます。
さて、最近真面目にnoteかいてないと思ったのでふらっと書きます。note、たまには書いていきたいですよね。
今回はタイトルの通り「気分が落ち込んでいるときにさらに気分を落ち込ませたいときに読んだり見たり聞いたりする作品」を紹介していきます。なんじゃそりゃ?って感じですよね。僕もそう思います。でも気分が落ち込んでいるときに気分をブチあげる作品じゃなくて、気分をブチさげるものに触れたい時ってあるじゃないですか。あります?ありますよね?まぁあるってことで紹介していきます。
『一私小説書きの日乗』西村賢太 角川文庫
芥川賞作家にして2000年代を代表する?無頼派作家である西村賢太氏のエッセイ?日記?日々の記録?的なもの。西村賢太氏の作品を知らなくても読めます。まぁでも西村賢太氏がどのような人物か知っておくと日々の背景がわかって良いかもです。Wikipedia読んでください。
内容としては本当に40,50代の未婚おっさんの日常って感じです。普通のおっさんと違うのは作家であることくらい。昼過ぎに起きて、小説やエッセイを書き、深夜に馬鹿みたいに酒を飲み(1日で宝焼酎を1瓶空けるがデフォ)、たまに編集者と打ち合わせをしたり風俗に行ったりする。マジでどこまでも閉塞的なのに氏の文章でガンガン読めてしまう。そんな不思議な作品です。毎日の記録が3行から多くても10p程度の日々の出来事がつづられる形式なのでちょっとずつ楽しめます。でも気分が落ち込んでいるときに読むと「将来こうなるのかな…」となるのでマジでオススメです。
『鬱ごはん』施川ユウキ ヤングチャンピオン烈コミックス
『バーナード嬢曰く。』で有名な施川ユウキ氏の作品。個人的に世界一食欲が湧かないメシテロ作品です。それはもうメシテロじゃないんよ…
内容としては就活浪人生の鬱野がただ日々の飯を食うだけの作品。鬱野の年齢がリアルタイムとリンクしていて、就活浪人生だった鬱野がネカフェでバイトするフリーターとなり、さらにはコロナ禍でUber配達員となります。そして鬱野がどんどん歳をとって人間関係も希薄になり、体調に悩むことに多くなるのも柔らかい絶望感があります。
そして肝心のご飯描写ですがまぁ美味しくなさそう。コンビニ弁当やチェーン店の食事に絶妙な言い回しや例えでケチをつけてみたり、異物混入したり…食欲減退にはぴったりな作品です。ここまで食べ物や食事という行為に「美味しそう…」を感じない作品はなかなかないです。
でも施川ユウキ氏の絶妙な言葉遣いであったり、鬱野のどうしようもない日常であったりにどうしても惹かれてしまうんですよね。まぁ当然のように気分が落ち込んでいるときに読むとさらに気分が落ち込みます。
『コンビニに生まれかわってしまっても』西村曜 書肆侃侃房
短歌集。短歌なのでなかなか説明は難しいです。ただいわゆる現代短歌というもので俵万智氏のような短歌をイメージしてもらえたら。色々な短歌(五、七、五、七、七のリズムで言葉が刻まれるやつ)が収録されています。表題作である「コンビニに生まれかわってしまってもクセ毛で俺と気づいてほしい」はこれ単体だともしかしたら「うん?」って感じかもですが、ある程度ストーリーがあるのでそれを含めて読むと刺さります。
個人的に一番好きなのが以下の歌
これが初めて読んだ時がめちゃくちゃ衝撃的で頭ぶん殴られたんですよね。すごく素敵な短歌だと思います。でも本当に気分落ち込んでいるときにこれ言われたらどうだろうなーと考えて気分が落ち込みます。
広く売られているものでもないので入手は難しいと思いますが興味がわいたら。
「生きるってなんだよ」午後ティー
この曲を聴くと一番柔らかい絶望感を味わえますし、30歳まで生きたくねーな。でも過労死しない限り生きているんだろうなー。なんて思う曲です。まぁ曲は4分くらいなので聴いてください。ボカロなので苦手な方は好きな歌い手のカバーでも見つけてください。オススメはVTuberの理芽さんのカバーなのでそれも置いておきます。一番刺さる歌詞が「美しいものは総じて一瞬だ じゃあ僕は不老不死かもな」ってところですね。自分が汚いから死ねない。みたいなのマジで刺さります。そして気分が落ち込んでいるときにはさらに刺さります。「失うものなんてない 強いて言えばこの命くらい 情けない三十で死にたい」も刺さります。とにかく歌詞が刺さります。
終わりに
ということで久しぶりに真面目に?note書きました。年一くらいではこういうの書いていきたいですね。もし「気分が落ち込んでいるときにさらに気分を落ち込ませたいときに読んだり見たり聞いたりする作品」がある方はコメントで教えてくださいー