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チョコは甘いか酸っぱいか

 ショコラ(2000/アメリカ)
  監督:ラッセ・ハルストレム
  出演:ジュリエット・ビノシュ ジョニー・デップ

カカオの力や中毒性は今ではよく知られたものになっているが、これほどまでに人を情熱的にしたり素直にさせたり泣かせたり。私もこの映画を見て思わず「チリ・ペッパー入りチョコレート」を食べてみたりしたものだ。

ストーリーは「フットルース」や「バベッドの晩餐会」みたいで新鮮味はあまりない。

しかしこの映画は、ジュディ・デンチやレナ・オリンといった見ごたえのある女優、そして「なぜ?」と思わずにはいられないビノシュ&ジョニーのカップルを鑑賞するところがミソ。

あと忘れてならないのが、ビノシュの娘役をやった女の子。「ポーリーヌ」のあの女の子なんだけど、なんていい感じに成長しているんだろう!

その屈折して繊細な表情ときたら、あんな母親に育てられ、あちこち連れまわされ、目に見えないお友達にしか心を開くことの出来ない孤独な少女そのもの。

この子がいればこそ、この映画がおとぎ話だけに終わらない。

 チョコレート・ファイター(2008/タイ)
  監督:プラッチャヤー・ピンゲーオ  
  出演:“ジージャー”ヤーニン・ウィサミタナン 、 阿部寛 

そう。阿部ちゃんが出ているんである。

しかも結構おいしい役。日本のヤクザで不死身。

いや、本当に不死身だっけ?そんなことをよく覚えていないくらいストーリーはどうでもよく、たとえばインド映画でストーリーよりも踊りに目が釘付けなのと同様、この映画はアクションをとことん堪能すればそれでよい。

なにせワイヤーなし、スタントなし、早送りもなし。

そして、そうやって生身の体を張って次々とアクションを繰り広げるのが細い体の若い女の子という目を疑うような光景が!長いスカート&ボサボサの髪と超人的な強さのギャップが、とにかく快感である。

チョコレートをわしづかみにしてボリボリ食べ、奇声を発して敵をなぎ倒す。まるで舞のようなアクションに見とれているうちに映画は終わり、そういえば阿部ちゃんが出ていたっけ…とふと思う。

アクションは泥臭くて笑えてハラハラできるのに限る。

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