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kaffe pauseのある職場

社員みんなで毎日
コーヒー休憩取ってる企業の記事を見つけたから
会社でシェアしたんだ。

そしたらね、同じ部署に
コーヒーを淹れるのが趣味な人がいたんだよ。
その人がいろいろ道具を持ってきて
午後のいい時間になると
コーヒー淹れてくれるようになったんだ。

でも、ミルで豆をひくからさ
そんなにいっぱい淹れられないじゃん。
そのコーヒーがおいしいって噂になっちゃって
飲みたい人がいっぱい来るように
なっちゃったんだ。

夫が、そんな話をしてくれた。


その記事をシェアできる雰囲気があること
コーヒー好きの人が豆をひける空気があること
社員の人たちがしずかにわくわく
そのコーヒーを待っていること…

なんか、いい会社だな。


その話を聞いて
私も思い出したことがある。

昔留学していたデンマークでは
kaffe pause(カフェパウズ)という時間があって
まぁ言葉そのまま、コーヒー休憩なのですが…

仕事場でも、午前と午後に1回ずつ
職員がみんなわらわらと集まってきて
パンやコーヒーで休憩するの。

全員だよ?

みんなコーヒー片手におしゃべりしてさ
ここ、ホントに職場?って聞きたくなるくらい
くつろいだ表情で。


学校の休暇中に訪れたボーンホルム島は
クラフトが盛んで
小さな工房やクラフトショップが
たくさんあった。

とあるクラフトショップに寄ると
お店の中には誰もいなくて。

カウンターの上には
「ただいま kaffe pause 中。
 少ししたら戻ります」の札が。

休暇の季節。
午後のいい時間。
当然、お客さんの来る時間。

札を見たお客さんは
「あぁ、そうなのね」って
あたりまえのようにうなずいて
店の中を見ていたり
外に出てのんびりしていたり。

休憩から帰ってきた店員さんは
みんなほくほくとした笑顔で
「あら、来てたのね」というかんじで嬉しそうに
生き生きとお客さんと話し始めていた。

そして、お客さんも嬉しそうに
店員さんの側に近づいて行っていた。
「待ってたわ!さぁ、この作品について
 話を聞かせてちょうだいよ」
とでも言っているかのように。


私は、店員さんが
みんなでkaffe pauseを取っていることより
お客さんがそれを
「あたりまえのこと」としていることに
驚いてしまった。

お客さんにとって、この時間は
「待たされる」ものではなく
店員さんにとっても、この時間は
「待たせる」ものではなかった。

ただ、kaffe pause なだけ。

どちらにとっても
その時間はのんびりと
いい時間を過ごしているように見えた。


それはきっと
みんな知っているから。

kaffe pauseが
どれだけすてきな時間で
どれだけ満たされた気持ちになるのかを。

そして、店員さんは
満ちた気持ちで、本当の笑顔で
接客ができるようになる。

お客さんは
満ちた本当の笑顔での接客を
嬉しく思っている。

「笑顔の接客」ではなくて
その奥の「満ちた気持ち」

そこから伝わってくるものが
どれだけ心地のよいものなのかを
知っているから。


休憩って
自分のためだけじゃない。
仕事のその先にいる人たちのためにもなるんだ。

休憩=サボり
なんかじゃないよね。

仕事のクオリティを上げる
しかも、目に見えないけれど
伝わってしまうような
大事な部分のクオリティを上げてくれる
大事な時間だ。


まぁ、そんな「すごいとこ」もあるけど
単純に、楽しくてすきです。
kaffe pause。

夫の会社も、いいものできるかな。



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