『NATURE TALK 06』 脅かされるユキヒョウ
NATURE TALK 6号はユキヒョウがテーマです。
5000mを超える寒くて険しいアジアの高山に生息し、不明なことが多かったユキヒョウの生態は、研究者や保全団体の調査や保全活動によりだんだんと明らかになってきました。
2年前、私はTiger movの『フィールドワーカー&オフィスワーカーと考える 見えない動物ユキヒョウを”まもる”とは?』というイベントに参加しました。
ユキヒョウの野生での神秘的で生き生きとした様子、臨場感溢れる調査のお話を聞いて、目の前にユキヒョウのいる光景がわあっと広がりました。
その時登壇してそのお話をしてくれたのが木下こづえさんでした。
木下こづえさんは京大大学院准教授であり動物研究者で、数少ないユキヒョウ研究者のうちのおひとりです。
広告会社でコピーライター/広告プランナーとして活躍する双子の妹の木下さとみさんと一緒に任意団体twinstrustを立ち上げ、『まもろうPROJECTユキヒョウ』という保全活動を行なっています。
おふたりの特性を生かした保全活動は、現地に寄り添い、人と繋がり、人と自然との共生のバランスを考える、とても実質的で私の目標となる活動です。
そんな木下こづえさんに、ユキヒョウに関するQ&Aに答えてもらいました。
(来週からキルギス、という忙しいタイミングに…!ありがとうございます!)
レンジャーをしていた人が密猟者の案内人になる話はとても衝撃的でした。
その背景には戦争があり、食べるのにも困る日々の貧しさがあることを考えると、胸がざわざわします。
山岳氷河が溶けて災害が続くのも、地球温暖化で気候変動が差し迫っている実例で、私たちの生活の仕方や意識を変える必要性を改めて感じます。
一方で家畜を襲われた人への補償や環境教育が進んでいるのは、こづえさんたち保全活動をしている人たちの思いが着実に実現しているということで、希望を感じます。
紛争の絶えない世界で野生動物はノーボーダーであること、平和なくして保全も共生も実現しないこと、現地に暮らす人々のことを知り、共感することが自然との共生への第一歩であること。
現地での多くのフィールドワークや、日本や生息国の機関・団体と連携した活動から生まれた、こづえさんのメッセージからもらえるものはたくさんあります。
ありがとうございました!