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いつも同じ声の感覚で歌えない?

「その時によって声の感覚が変わって、いつも同じ声で歌えないんです。」こういう悩みをよく聞きます。すごく上手く歌える時と、全然歌えない時の差が激しいとか、会場によっては全然歌えなくなる、などなど。
(体調的に喉が重くなる事があるという場合は、今回は省きまして、別な機会に書こうと思いますので、今回はそれ以外のケースで。)

この状態一つのタイプとして、声の楽器演奏としての歌唱感覚がまだ体に宿っていないという事があります。
一番上手く歌えた時の自分を基準にしたくなる気持ち、よく分かりますが、それは自己を過大評価している事になり、かえって歌う事が苦しくなります。上手く歌えた時が自分の実力ではなく、色々な場面で歌った平均点が今の実力。

まぐれで上手な歌を歌う人は沢山います。五分五分くらいでとても良い歌をうたえる人も結構います。
レッスンで生徒を誘導していると、初心者レベルの生徒なのに、明らかにプロレベルの歌をうたう事すら、ちょくちょくあります。そのまま感覚を覚えてくれればこちらも楽なんですが、なかなかそうはいかない事も多く、本人がプロレベルの歌唱をした事にさえ気が付いてくれなくて、こちらの方ががっかりさせられる事もしばしば。

要するに自分の声(歌)の聴き方が悪くて、ちゃんと把握できていないんです。

また、結構キャリアがあり、普段はしっかり声や響きを聴けている人でも、PAの返しの状態や技術クオリティ、お客さんの人数などで音場が変わり、リハーサルとのギャップに動揺してしまい、気にしすぎて素直な自分の声(歌)の聴き方を見失ってしまう場合もあります。

慣れた場所でも、緊張やプレッシャーが強いと、そのようになる場合も多く、これは「自意識」という言葉でよく表現されますが、他人からどう聴こえるかのかに意識が持っていかれて、平常時の感覚を失いやすくなり聴き方が変わる、というものです。
心理的要素が原因、という捉え方でも結果は同じです。

色々タイプはあっても、同じように歌っているつもりなのに、何故か喉の力が動きが悪くなってしまって、うまく歌えなくなるというの多くは、自分の声の聴き方が変わってしまっているという事です。

としても、何がどうなってそうなるのかがわからない。そんな感じの人が多いと思います。ほとんどの場合、自分の声(歌)の聴き方が変わってしまった事にすら気づけない場合がほとんとで、焦って喉に意識を持つほどに力が入ってしまって酷くなります。

そして、何が原因で歌えくなるのかよく分からないままだと、歌うのが本当に怖くなって、初めは考えすぎているだけなのに、本当に人前で歌えなくなってしまったり、切実な問題に発展する場合もさえあります。

まとめると、いつも同じ感覚で歌えないのは、無意識に起こっている体の反応のせい。注意を向ける要素や方向性が変わる事で、自分の声の聴き方が変わってしまって、それが喉に影響してしまっているという事です。
そして、注意を向ける要素や方向性が変わっている事にも気が付けない。

具体的にどう対処すべきかですが、が気になるところだと思いますが、長くなりましたので、改善方法はまた次の記事に持ち越します。
ただ、無意識に聴き方が変わっているという事に気付くだけで改善してしまう人もいると多いと思いますので、自分の声の聴き方感じ方について振り返って見てください。

聴き方を変えてしまうのにはやはり理由があり、その原因(ケース)によって、自分で気付くことの手がかりがつかめます。

ここまでの内容でも十分に変わっていける人もいると思いますが、次回以降、歌えなくなるケースごとに分かりやすく解説記事をかけたらと思っています。

今回も読んでいただきありがとうございました。
次回以降もよろしくお願い致します!

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