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私、肺活量がなくて、息が持たなくて疲れちゃうんです。って認識、ホント?

肺活量とロングトーンの関係は? もちろん関係はありますが、ごく普通の歌(特にブレスのタイミングが少ないとか、言葉が多くて息継ぎのタイミングの無いとかの、稀な曲では無く、普通にブレスのタイミングがある歌)
で、息切れしたり、体力が続かない人は、肺活量とは直接関係無い可能性が高いです。
スポーツをガッツリやっていて肺活量が多い人でも、歌うと疲れる、とか息が足りなくなる、と感じる人もいるからです。要するに自分の肺活量があっても疲れる息切れがするという人も結構いるんです。
じゃ何故か? それは出口が広いから、ということです。
例えば、口の広いタンブラーに入れた水を出すとき、出口が広いのですぐに水を出すことができますが、口の細いタンブラーに入れた水を出すとき、少しずつしか出てくれなくて、口の広いタンブラーより水を出すのに時間かかってしまいますよね。それと同じなんです。

声帯の隙間を声門と言いますが、声門が狭く、きちっと効率良い発声ができれば、声は長く持つし疲れません。しかし、声門が広く息まじりの声になる場合は、いくら息を沢山吸っても、すぐに息がなくなってキツくなります。
ここで分かりづらいのは、喉に力を入れて声門を締めても意味がないということです。喉に力が入って無理な発声になると、逆に声帯がずれてしまって隙間ができたり、無理に出すために声帯の振動効率が悪くなり、息を使う量を増やさないとちゃんと歌えない状態になったりします。結果的に喉に力を入れると無駄な息が増えて、ロングトーンも難しくなるし、体がやはりキツくなるんです。

1対の声帯の縁がきれいに伸びて近づいている(閉じている)状態でないと、声もきれいに出ませんが、ロングトーンもできません。

なので、肺活量ではなく、声門の状況の方が息切れを直すのに重要な場合がけっこう多いです。声帯(声門)がきれいに寄り合っていて、負担なく発声できていれば、かなり息が持ちますので、普通の曲が息切れを感じで歌えなくなるようなことは起こりません。

例えば、肺活量の少ない小さな子供でも、歌の上手い子は息継ぎの少ない曲でも簡単に歌うことができます。出口(声帯)がきれいに閉じられているからなんです。大人のスポーツ選手でも発声が悪いと出口(声帯)がきれいに閉じないので、息切れする可能性大なわけです。

とは言え、肺活量はロングトーンに全く関係ないというわけではありません。関係は多いにありますが、出口の大きさ(声門の閉じ具合)の方が、息切れをしないための重要度は高いと言えます。
発声を改善して効率良い声帯の位置と状態を覚えることが最優先、という事になります。

ちなみに、出しやすい高さの1音程のロングトーンなら、そんなに肺活量がなくても、1ブレスで30秒近くロングトーンができる人は沢山います。
30秒歌えれば、サビの息継ぎ(ブレス)くらいならなくても歌えるわけです。肺活量もあれば、1分近く伸ばすことさえ、さほど難しくはないです。

ただ、息継ぎ(ブレス)もフレージングの一つで、歌唱表現にも大切な要素なので、吸わなくても歌えるからといって息継ぎをしないのは、歌として、かなり良くない歌になるので、ちゃんととりましょう!!

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