【環境文学】火をつける
秋の小春日和
何となく来たこの峠道
老いたと思う自分を
風の中で受けとめると
この峠道で思い出すのは
若い日のあの夏
悩みにふけた青春
何度も途方に暮れていた
悩みを振り切りたい
若さゆえに懸命に自転車をこいで
峠道を登り
目の前に広がる山並みを眺め
自分の価値観を変えていた
燃えた青春の思い出は
誰もが懐かしく
若いあの日のように
ただひたすら懸命になって
自分を変えれたら
そんな思いが
心に火をつけてくれる
私は峠道を歩いた
いまできる限りの精一杯のことを
小春日和の秋風を受けて