見出し画像

日本伝統のレイキの手の当て方

前回は、西洋レイキの手の当て方としてスタンダードポジションを紹介しました。
では、その西洋レイキの元になったはずの日本伝統のレイキでは、どのような手の当て方をするのでしょうか?
今回は、日本伝統のレイキの手の当て方を紹介します。

悪いところに手を当てる

日本伝統のレイキの考え方は、とてもシンプルです。
ただ悪いところに手を当てるだけですから。

ただしこの「悪いところ」というのが、実は簡単ではありません。
怪我なら、何の問題もありません。怪我した箇所、痛いところに手を当てればよいのです。
しかし、病気はそう単純ではありません。
たとえば、痛風の場合、痛いのは足の指のことが多いですが、では、そこが「悪いところ」でしょうか?

患部と病根

病気の場合、患部病根(びょうこん)があります。
先ほどの痛風の例では、患部は痛い足の指です。しかし、その痛みの原因となっている何かがあり、それを作り出しているどこかがあります。
つまり、症状は出ていないけれど、病気を引き起こす原因となる身体の部分がある。それを病根と呼びます。

たとえば腎臓病の場合、むくみなどの症状が表れますが、むくんだ足や顔は患部です。病根は、何の症状もない腎臓だと言えます。
このように、症状がないために見逃されがちな本当の原因箇所を見つけ、そこに手を当てることが、効果的にレイキをする上で重要になるのです。

この病根を探すのに、前回言った「病腺(びょうせん)」が役立ちます。
詳しくはまた別に書きますが、簡単に言えば受け手からの反応になります。
その反応を読み取ることによって病根を見つけ、そこに集中的に手を当てることで、効果的にレイキを行うことができるのです。

臓器と背骨

病根というと、直接的には臓器を差すことが多いです。
特に腎臓や肝臓など、沈黙の臓器は要注意です。肝腎要(かんじんかなめ)という言葉があるように、毒素を排出する機能がある腎臓と肝臓は、疲労しやすい臓器でもあるので、注意する必要があります。

一方で、背骨にレイキをするという考え方もあります。
レイキが始まった当初は、背骨を中心にレイキをしていたという話もあります。
これは、神経を重視していると考えることもできますし、氣(靈氣)の流れ道である経絡(けいらく)を重視しているとも言えます。
実際、背骨に病腺が出ることはあり、効果的にレイキをするポジションと考えられています。

レイキではありませんが、野口整体にも同じような考え方があります。
「風邪の効用」という本にもありますが、「愉気(ゆき)」という方法です。

野口整体の愉気法とレイキ

愉気法というのは、レイキと同じように背骨を中心に手を当てて、氣を送ることで行います。
これはレイキというよりも、気功のようなものと言えるでしょう。
つまり氣を出す方法だからです。

しかし、共通点もあります。それは、上記の本の中で、以下のように書かれていることからわかります。

「だから愉気をするには高度な精神集注の行えること、恨みや嫉妬で思いつめるような心でない、雲のない空のような天心が必要なのです。
 天心というのは、大空がカラッと晴れて澄みきったような心を言います。利害得失も毀誉褒貶(きよほうへん)もない、自分のためも他人のためもない、本来の心の状態そのままの心です。だから誰かを愉気するといっても、病気を治そうとか、早く良くなろうとかいう考えを持ってはならないばかりか、きっと良くなるという信念でも邪魔なのです。」(p.201)
「また愉気ということを、痛みを止めたり、痒(かゆ)みを止めたり、熱を下げるために使おうと思うことも間違っているのです。その身体の正常さを維持するために行なわれるべきで、風邪を引いても、傷口から血が出ても、膿んでも、熱が出ても、それは病気ではない。熱が出たから病気だ、咳が出たから大変だと思い込むようなのは自分の心の使い方を知らないのですから、私はそういう心のことを病気というのです。」(p.201)

意図的に氣を出すのですが、その氣をなるべく「意図のないエネルギー」にしようとしている点が伺えます。
ただその方法が、レイキは委ねることで行うのに対し、高い精神集中によって行おうとしていますね。
そういう違いはあるものの、背骨という重要なポジションに手当てをして、意図のないエネルギーが流れるようにしようとする点で、レイキと同じようなものとも言えます。

すべて無料で公開しています。多くの人にレイキのことを知っていただき、役立てていただきたいからです。 もし内容を気に入られて、本1冊分以上の価値があると思われましたら、ぜひサポートしてくださいね。よろしくお願いします! 心を込めて書いていますので、とても励みになります。