ずっとそばにいてくれたから
友人がclubhouseで絵本のお話をしているのを聞きながら、子どもの頃読んだたくさんの絵本のことを思い出していた。
私は本が大好きな子でした。
おうちの中にも、本がたくさんあったのを記憶しています。
まだ字が読めないころから、一人でペラペラめくってずーっと絵本を見ていたそうです。
何かほしいものがある?って聞かれたら、本がほしいって、「本かおうねー」って、いつも言っていたって。
本はいつも、私を自由にしてくれた。幼いころ読んだ絵本は特にそう。
行ったこともない遠い国の人にもなれるし、お菓子も思う存分食べられるし、動物たちとおしゃべりもできるし、空も飛べるし、色とりどりのお花に囲まれて踊ったり歌ったりできるし。
面白いことも、嬉しくてたまらないことも、悲しくて心痛めることも、怒りたくなるとことも、絵本の中にはあった。
絵本の中でいろんな経験をして、私の内側の世界はどんどん広がった。
お母さんになって、子どもにもたくさん絵本を読み聞かせたし、ボランティアで小学校の読み聞かせもした。自分のために絵本を買ったり友人にプレゼントしたり、大人向けの絵本の会もしたことがある。
でもやっぱり、絵本の話になると、小さな私が好きだった絵本が一番最初に思い浮かびます。
例えばね、キヨノサチコさんのノンタンシリーズとか。ノンタン、とっても可愛かったなぁ。
それから、寺村輝夫さん、長新太さんの「おしゃべりなたまごやき」。
少し長めのお話だけど、何度も何度も読んで大好きだった。
少し悲しいお話だけど、大塚勇三さんの「スーホの白い馬」。
ドキドキして、心にズーンって染み込んで、深く深く残ってる。
「てぶくろ」とか、「わたしのワンピース」とか、「ちいさいおうち」とか。
他にもいっぱい、いっぱい、ある。
どれも、当時持っていた絵本の形は残っていないけど、私の中に重なって、今の私の一部となってくれている。
子どもの私は、絵本に意味なんて求めていない。
役に立つことも、励ましてほしいとも、感動したいとも、思っていない。
絵本からこんなこと学んでほしい、感じとってほしいなんていう、大人の思惑なんてつゆ知らず。
ただ、そこにいてくれた絵本。
小さな私のそばに、ずっといてくれたから。
あの頃の絵本に、また会いに行こう。