№11:プラシーボ反応から自然治癒力をみる
「まずプラシーボは除外だ」
プラシーボ効果(反応)は風邪症候群騒動もあって最近よく耳にしますね。しかし、多くの医学実験、特に薬剤における試験では邪魔者扱いといったどころでしょう。「まずプラシーボは除外だ」と。
端的には以下の説明が世の多くでしょう。
プラシーボ反応によるからだの変化は幻ではない
上記の説明のように近代医学、薬学でもプラシーボ(反応)が認知されていることは間違いがないが、あまりポジティブではない印象です。
しかし、プラシーボが本当にからだに効果を起こすなら、なんらかの化学的経路が寄与しているはずです。
なぜなら体内で起こるすべてのこと・・・思考や感情を含めて「物理的化学変化」に基づいているからです。
だから、プラシーボはからだの状態にたしかに変化(効果)を与えるが、『体に化学作用を起こさせることはない!』と言うのはプラシーボがなんらかの『化学的経路を介して体に作用する』と考えるよりずっと『神秘的で非科学的』と思えるのですが・・・
体内の製薬工場
ではプラシーボ反応の体内の源はなんなのでしょうか。
半世紀あとにエンドルフィン(内因性モルヒネ)が発見されて、今日ではエンドカンナビノイドなど体内にあらかじめ用意されている「いわゆる体内麻薬」はいくつか確認されています。
もちろんこれらがすべてプラシーボ反応に関連しているとはいえません。ケースバイケース、個人差もありますが、プラシーボ反応~「体内の製薬工場(稼働)=自然治癒力」と仮定すれば、鍼灸や代替医療のあり方もまた変わってきます。
あくまで自然治癒力、体内の製薬工場に働きかけ、患者の症状の緩和を図っているということになります。そういった意味では「大したことはしていない」といえます。
プラシーボ反応や体内麻薬などについては綴ってまいります。まだまだ分かっていないことも多いですからね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
参考文献THE PLACEBO RESPONSE プラシーボの治癒力 ハワード・ブロディ