アースオーブンの土台作り
天候が心配された土台制作日当日、幸運にも早朝の雨で気温も下がり、絶好の土台日和となりました。
屋外のアースオーブンは作業のしやすさや、そして地表からの侵食を防ぐためにも、地面から離して設置するのが良いようです。前回紹介した『Build your earth oven』の著者、Kiko Denzerは土台は身近にあるもので済ませましょう、いっそのこと不要になった冷蔵庫(!)でもいい、と豪語されております。木で組んだ土台で何年も使用しているとの記載もありました。ただ、アースオーブンの大きさと重量に見合う構造にせねばいつかガタが来ると、知り合いの窯仲間が申しております。少し寂しそうな顔をしていたので、おそらくガタがきた経験があるのでしょう。
さて、土台制作にやる気十分な私ですが、年々筋力が低下し、石を積み上げて土台を作るとなると気が遠くなり思考が停止します。そこで、土台については全て相棒イマニュエルに丸投げしておりました。コロナ期も庭師として毎日バリバリ働くイマニュエルは、土台制作前日も友人の引っ越しを手伝うという体力の安売りが可能な20代。案の定、3日ほど前に『雨降るし延期やで。』と雨乞いをするほど弱腰を見せましたが、開始時間を3時間延期させるも見事現場に姿を現しました。
少々、疲れが見えるイマニュエル。ちなみにイマニュエルからはブログ記載の許可を手作り味噌500gで獲得しました。
まず、私たちが使用した土台の素材について話しましょう。雰囲気のある素敵な石というものは、そこらへんにゴロゴロと転がっているわけではなく、たとえ転がっていても移動が大変です。写真上のこの立派な石は、畑仲間がリサイクリングハウスで買ってきたそうで、それを土台に利用させていただくことにしました。それでもまだまだ石の数が足らないので、ご近所ネットワークを使用して必死に石集めです。建築現場で解体したレンガをいただけるとの噂を聞き、意気揚々と突撃しましたが、見事現場の男性陣に鼻であしらわれ玉砕しました。ビールでも手土産にサッカーの話で盛り上がれば、レンガ一山ゲットできたはずです。誠に悔しい限り。
写真はご近所さんが青いIKEAの袋に入れて持ってきてくれたレンガ。ありがたい限り。
結局、良い石やレンガは中古でも購入せねばならないということで、イマニュエルの庭に転がっているあまり情緒のないコンクリでできた敷石を土台内部に使用しようということになりました。ただ、コンクリだとどうしても見栄えが悪いので、周りは土で覆って、誤魔化すことにします。
さすが、庭師イマニュエル、あっという間に美しい土台の基礎が完成。この上にどんどんとあまり美しくないコンクリの敷石を組んでいくことになります。
すると、イマニュエルが、
『車の中にセメントの袋があるから取ってきてくれ』と一言。
おっと…、来たよ、セメント。この時、エコな畑仲間に少々不穏な空気が流れたのでございます…。