川の流れのように♪生きるのか
梅雨の時期というのに、もはや猛暑といえる今日この頃。先日、少し遠出をして山の方へドライブしてきました。山間部なら涼しいかと思いきや、平野部と変わらなく暑かったです。
それでも、自然の中に入ると五感が刺激され、鳥の鳴き声や川のせせらぎ、森の香りや緑の美しさに、「来て良かった!」と心から思います。山間を勢いよく流れる清流を見ていると、普段のモヤモヤも一緒に流され浄化されたかのように、清々して最高に気持ちが良いのです。
そこで1曲とばかりに、大好きな美空ひばりさんの「川の流れのように」を歌いたくなってきます。歌詞・曲調が、歌謡界の女王の歌声と見事にマッチしたこの曲は、いつ聴いても何度聴いても、心をわしずかみにされ、ひばりさんの人生すら浮かんで胸の奥がギュッとします。
この曲はひばりさん最後のシングル曲であり、1989年1月11日に発売されました。1月11日、111、まさに川を表していたのでしょうか。そして、「川の流れのように~不死鳥パートⅡ」のアルバムにも収録されています。そう、ひばりさんはまさに不死鳥、永遠の時を生きる伝説の人だと思えてきます。時が経っても私の心から離れません。
♪知らず知らず歩いてきた細く長いこの道~
という冒頭のワードを思い浮かべただけで、せつなくて泣きそうになります。既にひばりさんの歩いた人生をとうに超え、涙腺がもろくなった私だから余計感じるのでしょう。ひばりさんの歩いた人生は細いのか太いのか、長いのか短いのか、それは本人しか分からないと思います。
人生をどう生きるかって、大きな大きなテーマを神は人間によくぞ与えて下さいました。これは、ジブリ映画のタイトルでしたね。いや、人生をありのまま生きればいいのに、あれこれ考え思い悩んで人生を複雑に生きづらくしているのは、自分自身なのでしょうけれど。
♪生きることは旅すること終わりのないこの道~
2番目の歌詞の冒頭もいいでのです。人生はアトラクションの連続と誰かから聞いたことがあります。まさにでこぼこ道や下り道、上り道もあれば、平坦な道にぬかるみだってあります。全てどんなことも受け入れて、楽しんじゃうのがベストなんですよね。
川の流れのように、ゆるやかに穏やかに生きていこうと思えてきます。まあ、激流もあったりしますけれど、もう流れに乗って身をまかせていくしかないですよね。身をまかせるといっても、無責任に生きるという意味ではありませんが。
それに、誰でも毎日が選択の連続とも言いますよね。口に入れる食事から、洋服選び・靴選び、起きる・寝る時間、目にするもの、聞くもの、どこに行くか、誰と会って誰と楽しむか。そんな日常の何気ない小さな選択の連続が、知らず知らず歩いてきた道なのですよね。
やがてこうなるとか、意識せず選択してきています。すぐに結果が体に表れるような食事などは、意識することもありますけれど。誰でもきっと、振り返ればあんなこと・こんなこと、いっぱいあるんです。
それでも、人生の流れは一向に止まることがありません。どこに向かっているのかさえも分からぬまま。それが人生であり、面白いところでもあるのでしょう。やがて全ては海に流れ着くことは分かっています。人はこの世に命を与えられ、いつかこの世を去るということだけは確かです。この世を去るまで、旅は続いています。
数年前に親族の法事で、あるお坊さんが言った言葉が忘れられません。「今日この一日が、誰かが生きたかった一日かも知れません」。その言葉に自然に涙が溢れてきました。
小さな選択の連続のこの毎日を、与えられていることの有難さを感じずにはいられません。せっかく与えられたこの知らず知らずの選択を、この人生を大切にしていきたいと切に思う今日この頃です。せっかくの人生なんだから、清らかな川を流れていきたいですね。