五つの短編４（桜/金のからだ/ボール/サプリ/通販）

桜

まさに燃え尽きたように花びらが地面に落ちた。
鳥がそれをついばみ、ひなたちの温かい布団にした。
もしそのひなが大空へ輝かしく飛んでいくとしたら、いつか私達はその死骸を見つけるだろう。
銃弾で撃たれた､もしくは引っかき傷の跡が付いた…

金のからだ

そのシュタインブルックという紳士はチタン製だった。
彼が住む街の人とは仲良しで、いつもおしゃべりをするのだが、体が光って光って、街の人はおしゃべりに集中できないようだ。
特に夜はよく光る。まぶしいぐらいだ。
眉をピタリと閉じ、せせり笑いながら歩く。
熱い風呂に入ってしまうと、体が少し溶けたり、
ぐんにゃり曲がったりする。
好物は、蒸したクーラーリモコン。
蒸したネジや電池とクーラーリモコンの味わいが絶妙らしい。
だが、そうとは限らず人間の食べ物も好きだ。
彼はハンバーグも食べる。ただ、ゲームコントローラーのAのボタンのところがハンバーグに入っていないと食べない。
気のいいところが彼の特徴だ。
一方、アルフレッドという合金鋼で出来た紳士は、人前に出ない暗い性格が特徴だ。
好物は何でも。いざ食べるとなると明るくなる。
もちろん、彼らを削る悪党たちはいる。アルフレッドは昔、体が無くなりかけた。
だから、人前に出ない。でも、人前に出ないからと言って、襲われる心配はあるのだ。
この世で一番危険なのは人間と世界だ。

ボール

バウンドしている。遊んでバウンドしているのか、それとも無意識にバウンドしているのか。
人間の誰も彼も、ボールの気持ちなんて分かっちゃいない。

サプリ

彼は薬恐怖症だ。薬もサプリも飲むのが怖い。
そんな彼も、最後には無理やり薬を飲まされて喉が詰まり、更にあまりの恐怖でショック死する。
この世に安全なものなど無い。

通販

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