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真っ白な地面 真っ白な空 真っ白な吐息 いつもなら、それぞれの色を持つ世界が、一色に染まる 寒くてかじかんだ手をこすり合わせ、そこに温かい息を吹きかける すぐに冷えてしまうけれど、一時は、温まる手をじっと見つめる いつもは赤く、血が表面に浮かんで見える手も、今日ばっかりは真っ白で、まるで人形のようだ 足を踏み出せば、ざくり、ざくりと、細かな粒を押しのけ、押しつぶしながら音が鳴る さらに一歩踏み出せば、またざくりと音がし、先程の足跡を置いてけぼりにさせる 動か