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ナチュリノコラボ!東北大学留学120周年記念プロジェクト「旅するジェラート」発売決定!-前編-
企画のはじまり
生産者さんの想いを尊重し、
生産者さんが手がけた農作物を大切に扱わせていただき、
生産者さんとの「繋がり」を重視する、宮城のジェラートショップ ”Natu-Lino(ナチュリノ)” 。
そんなナチュリノが東北大学と「繋がり」、東北大学の留学生の皆さんとの共同企画をスタートさせることになりました。
東北大学といえば、文学部、法学部、経済学部、教育学部、理学部、工学部、医学部、歯学部、薬学部、農学部からなる総合大学。研究第一、実学尊重、門戸開放という大学の方針から国内だけでなく海外からの留学生も積極的に受け入れ、固定概念に囚われない考え方を持つ学校です。
そんなナチュリノ×東北大学の共同企画。その名も「旅するジェラート」。
さて旅するジェラートとは一体どんなことをする企画なのでしょう?
それは東北大学の留学生や日本人学生の皆さんと共に、宮城県で生産されている農作物などの生産現場を共に訪れフィールドワークを通じ、学び、体験します。留学生が学びから得た知識や実際の農産物を自国の食べ物や文化などと掛け合わせ、「世界旅行」をテーマにそのアイディアを素材や製法に取り込み、それをナチュリノがジェラートにするといった企画です。
何やらとってもワクワクする企画が始動しました。
宮城の生産者さんが丹精込めて作る農産物を使用させていただき、ジェラートという形でたくさんの人に届けているナチュリノ。そこに各々の留学生が自国の食べ物や文化をジェラートに落とし込むというのは、ジェラート好きにはたまらないとってもワクワクする企画なのではないでしょうか。
小松牧場見学
2024年4月下旬、県内の生産者さんの畑や牧場、ハウスなどを見学して回るツアーが実施されました。この日初めて弊社の鈴木代表を含むナチュリノスタッフと、この企画に参加する東北大学に通う留学生たちが顔を合わせることとなりました。
中国、タイ、インドネシア、オーストリアやスリランカ、アメリカ、スウェーデンにドイツ、そして日本。多国籍な学生の皆さんがこの企画に参加してくださいました。
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多国籍ということもあり言語の面で不安はありましたが、日本語が話せる学生も多く、また通訳を買って出てくれた日本人学生や担当教授が引率してくださったため安心して取り組むことができました。
まず、ナチュリノのジェラート作りには必要不可欠。新鮮な生乳を日々いただいている宮城県加美郡色麻町にある小松牧場を見学。
いつもと変わらぬ優しい笑顔で出迎えてくださった小松社長に案内されてみんなで牛舎を回ります。
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私たちナチュリノスタッフも何度も見学させていただいている大きな大きな牛舎。たくさんの牛がここで生活しています。どこか硬い表情だった学生たちも「牛がいる!」と、やや緊張がほぐれた様子で興味深く見学する様子が伺えました。
小松牧場ではすべての牛の首に個別に認識するためのICタグを付け、脈拍や栄養状態、運動状態をデータ化し、健康状態をリアルタイムで把握できるシステムを導入しています。このデータにより妊娠中のお母さん牛のお産の兆候を把握することもできるのです。
また、私たちナチュリノスタッフが前回見学させていただいた際に見ることができなかった「哺乳ロボット」を、今回留学生と共に拝見することができました。
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哺乳ロボットは機械が移動して、個別飼養されている子牛のもとへ訪問し適正な量を多回数自動で哺乳をします。哺乳状態がよくない際に小松社長に直ちに通知がいくというシステム。この機械のおかげで子牛の健康が守られているのですね。一生懸命ミルクを飲む子牛たちがとても可愛らしかったです。
自動で数値化できる現代のシステムを小松社長が説明し、それを日本人の学生が通訳をし、それを頷きながら聞く留学生たちの真剣な表情が印象的でした。さらには小松社長がこだわる”水”のお話を鈴木代表が小松社長の代わりに留学生たちへと説きます。
牛は1日100ℓ以上の水分を摂るといわれています。生乳のほとんどが水分です。
小松社長はもっと美味しい牛乳を作りたい、消費者たちに感動と幸せを与えたい、そういった想いから牛たちへさらに良質な水を飲ませようと考えるようになりました。奥羽山脈から30年かけて辿り着く岩盤の下でせせらぐ水。そして、牧場から西側は銀山温泉まで民家がほとんどないため、生活排水の含まない綺麗な水が流れていると考えたのです。
もともとあった深さ20mの井戸を温泉掘削業者に依頼し、なんと70mまで掘り下げ綺麗な水を汲み上げることに成功しました。
深さ70mから汲み上げる水、それだけでも貴重な水ですが小松社長はさらに沖縄県与那国島(おきなわけんよなぐにじま)でとれる珊瑚が入った濾過器を通すことで天然のミネラルを加えました。
良質で一番美味しい水を牛に与えることにより牛にはもちろん、母乳を飲む子牛や、人の体にも優しい安心安全な生乳を生産することができるのです。
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「”水”に対してこだわり抜く小松社長の生き方に感銘を受けました。だからここの生乳しか使わないと決めているんです」と熱く話す鈴木代表でした。
その後、留学生からの質問に対し一つ一つ丁寧に真摯に、時にはジョークを交えながら、朗らかな雰囲気で応える小松社長を目の前に、はじめは表情が固かった留学生の皆さんもだんだん笑顔が増えていったのを覚えています。
小松社長と学生の皆さんで集合写真を撮り牧場を後にしました。次はJRフルーツパーク荒浜へと出発です。
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JRフルーツパーク荒浜見学
やってきたのは仙台市荒浜地区にあるJRフルーツパーク荒浜。ここはかつて人々が住み、田園風景が広がる緑豊かな場所でしたが東日本大震災による津波により、全てが飲み込まれてしまった地区です。
この場所をまた、人々が笑顔で集うそんな場所にしたいという想いから作られたのがここ、JRフルーツパーク荒浜です。
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ここではシーズン毎にいろんな種類の野菜狩りやフルーツ狩りを体験できます。また、直売所、カフェ、レストラン、加工体験室を併設した複合施設です。
今回学生たちを案内してくれるのがここで働く郷内さん。にこにことお日様のような笑顔で私たちを迎えてくださいました。
施設内の説明の際に「ここは元々、たくさんの家や畑があったんです」と話す郷内さん。被災前と後の航空写真を見て感慨深い表情を浮かべる留学生の皆さんが印象的でした。
説明を一通り終え、それぞれのハウスへと向かいます。
まず初めに見学させていただいたのがブルーベリーが成るハウス。ノースランドにオーロラ、タイタンやアラパハ・・聞いたことのない数々の品種の名前がパネルに並んでいます。世界には約150種類のブルーベリーがあるそうで、こんなにもたくさんの種類があるということを筆者も今回初めて知ることができました。
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「この中で最も甘い品種ははなんですか?」という学生の質問に「デュークですね!」と郷内さんが教えてくださいました。デュークは気品があり強く美しい存在感を放つ品種。大粒の果実で果汁がとても多く、収穫量も多いため一般的には生ジュースとして用いられる事が多くいそうです。甘みも酸味もバランスが良いので生で食べてもおいしい品種なんだそう。
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また、ブルーベリーの品種でもあり、なかなか実が成らない超レアなピンクレモネードという品種があります。名前の通り綺麗なピンク色、そしてレモネードのようなフルーティーな風味で、酸味とのバランスがよく甘みも強いためそのまま食べても美味しいそうです。受粉しづらく完熟の見極めが難しいため市場に出回りにくい品種なのだとか。
そんなピンクレモネードの写真を見て、「どうしたらこんなにピンクになるの!?」など驚いた様子の留学生たちでした。
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梨やカシスの畑を見た後、いちごのハウスへと案内していただきました。宮城県育成品種のにこにこベリーやもういっこ、紅ほっぺやベリーホップすずなどたくさんの品種の食べ比べをさせていただき、もぐもぐといちごを頬張る留学生たちの可愛らしい一面を見ることができました。
甘みと酸味のバランスが絶妙な宮城県が原産地のもういっこ。大粒にも関わらず「もう一個!」と手を伸ばしたくなる魅力があると言います。郷内さんが説明するもういっこの由来を「なるほど!」と相槌を打ちながら留学生たちが聞いていました。
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また、同じく宮城県が原産地のにこにこベリーは、酸味が強く、香りと発色がとてもいいのでジェラート向きだということも教えていただきました。
留学生の皆さんも何かヒントになったのではないでしょうか。
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