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艶笑コメディ:つながった世界

 昼間のボロアパートの前の公園で老人たちが喋っていた。

「全く困ったモンだぜ若けえ奴らってのはよ。のべつまくなしに昼間っからやりまくってヨォ!」

「あの若夫婦のことかい?あの二人引っ越しの時菓子なんか持ってきて今時の若い連中にしちゃ人間出来てると思ってたのによ」

「おう、そうよ。オラぁこの間の夜AV見てたんだよ。したら途中からAVの喘ぎ声がなんかダブって聞こえてきていけねえテレビの故障かって慌てて消したんだよ。だけどまだ喘ぎ声が聞こえるじゃねえか。おいおいこのテレビ本気でいかれちまったかってコンセントごと引っこ抜いてもまだ喘ぎ声が聞こえやがる。部屋の上からバッチリヨォ。オラぁ、呆れてアイツらネタにずりせんかいちまったよぉ」

「おいおい呆れるのはおまえさんだよ。同じアパートの住人でそんなことするなんて人間としてどうかね」

「だけどお前さんだって隣から聞こえる喘ぎ声きいてムラムラしてるんだろうが。毎週ソープ行っているやつが人に説教垂れるな」

「おいお前さんたちよ」と別の老人が二人に言った。

「しかしアイツらの今日のスケベ行為は激しすぎだぜ。絶叫しまくってヨォ!なんでそんなに固いの。もうさっさと抜いてよって奥さんが叫びまくってるんだ。あんまり激し過ぎて流石のオイラも出てきちまったぜ。お前さんたちもそうかい?」

「まぁな。いくらなんでもあんな若さ全開のスケベ聞かされたら耐えられないぜ」

「俺たちも歳だってことよ。ソープ行っても半ダチだし、勃ちさえしねえこともあるからな」

 その同時刻、話題のアパートの若夫婦の部屋に宅急便の配達員が訪れた。配達員はドアを叩いて中から人が出てくるのを待っていたが、しばらくして出てきた受取人の異様な姿を見てびっくりした。は〜いと声をあげて出てきた受取人はジャージを着た男であったが、その上半身には同じくジャージを着た女が赤ちゃんみたいに縋り付いていたのである。配達員はびっくりしたが、彼は長年の経験からこういう人もいると冷静になり、荷物を玄関の中に置いてから配達表とボールペンを手にここにサインをしてくれと言った。しかし男女はサインをせず顔を赤らめてこう言った。

「あの、今すぐ救急車呼んでくれませんか。僕たち今ジャージ着たままエッチしてたんですけど……あの、こんな事知らない人にお頼みする事じゃないんですけど、あの……僕のチンコ抜けなくなってしまったんです。もうチンコがパンパンに充血しまくって自分の意志じゃどうにもならないんです。自分で電話しようと思ったんですが、僕もコイツのも今スマホの充電切れちゃいまして。全く皮肉ですよ。チンコはこんなに充血してるのに、スマホは充電切れなんて……」

「だから昨日やろうって言ったのに!あなた一日放っ散らかしたら危険だってわかったじゃない!このデカチンの猪野郎!」

「全部俺のせいなのかよ!おまえだって亀甲縛りみたいに締め付けてくるじゃねえか!こんなに締め付けられたら抜けるもんだって抜けねえよ!」

「そんなに暴れないでよ!あなたが暴れるから気持ち良過ぎてしまっちゃうんだろうが!あなたがイケばいいだけなんだからさっさとイケよ!」

「バカ俺は早漏じゃねえんだよ!簡単にイッてたまるかよ!」

「あっ、気持ちよくなっちゃうから暴れんなっての!」

「うるせえ!動くんじゃねえよ!クソォ!」

「バカっ!何勝手に腰動かしてんだよ!今どういう状況かわかってんの?やめなさいよ!」

「うるせえ、もう止まんねえよ!」

「やめてよ!目の前に人がいるんだよ!」

 男は女の言葉にハッとして配達員を見た。すると彼は物凄い顔で配達員を睨みつけて怒鳴りつけた。

「お前、なに人のエッチ見てんだよ!荷物置いたらさっさと出ていけよ!」

「……あの、サインは」

「うるさいわね!いいところなんだから邪魔しないでよ!」

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