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クリスマスになる前に

 君に伝えたい事があるんだ。と彼は言った。私は何事だろうと思い「伝えたい事ってなに?」って聞いた。だけど彼はずっと黙ったきりだ。もしかして告白かなと思った。ずっと一緒にいたんだしもうそういう時期だよね。せめてクリスマス前までに。

「もうクリスマスだろ?だから……」

 恥ずかしいぐらい胸が高まってきた。おかしいよ私昨日まで彼と平気で話せたじゃん。彼は一歩を踏み出すのを躊躇って口を閉じる。私は身を乗り出して彼に言う。

「ちゃんと言って!途中てやめるなんて男らしくないよ!」

「じゃあ言うよ。一生のお願いだ」

 私は耳を猫みたいに立てて彼の言葉を待つ。

「金貸してくれ!」

「いやぁこういう事って頼みにくいからさぁ、なかなか言い出せなかってんだよね。俺友達の借金踏み倒しまくってるから誰も俺に近付かないんだよ。それで思いついたのがお前だ。やっぱり持つべきものは友達より同僚だよな。これで高すぎる電気代とかガス代も払えるしまたキャバだっていける。よかったよぉ〜。これで雪だるまにならなくてすんだぜ。とりあえず十万かしてくれ、それを五回払いしてくれたわありがたい。心配すんな金はちゃんと返すから!おい、どうした?なにそんなに怒ってるんだ?俺はお前のいう通り男らしく最後まで言っただけだぞ?」

 私は店のウェイトレスに大量かき氷を注文した。そしてウェイトレスがかき氷を持ってくるなり全部このクズ男にぶっかけた。そして男に向かって言ってやった。

「お前なんかさっさと雪だるまになってしまえ!」

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