言いたいことがあるなら直接私にいいたまえ
と社長室に呼ばれた私はいきなり社長直々の小言をくらった。どうやら私達が社長について噂話をしていたのが社長の耳に入ったらしいのだ。一体何が社長の気に障ったのだろう。カツラのことか?しかしあれは社長自らネタにしていたではないか。朝礼でいきなりカツラをとって僕はカツラです。と言っていたではないか。社長について喋ったのはそれだけだ。あとは最近職場が臭いという話をしただけだ。それも冗談めかしててはなく真面目に話したのだ。最近みんなから職場にドブみたいな匂いが漂っている。一刻も早く大々的な清掃をしないとみんな病気になってしまうと、みんなで社長に訴えようと相談していたのだ。だから私は今こそチャンスと社長に向かって直々に職場の環境完全を訴えたのだ。職場にはドブみたいな匂いが漂っていてとても仕事どころではない、一刻も早く臭いの元を断たなくては!
それを聞いた社長は目を閉じしばらく黙り込んだあとこう言った。
「君がそこまで陰険な男だと思わなかった。多少軽口なところはあるが仕事には誠実な男だと思っていた。こんなコソコソ隠れて人の陰口など叩く男だと思わなかったよ!今もそうだ!何が環境改善だ!わざとらしいほのめかしもいいかげんにしろ!私が臭いと言うなら直接いえばいじゃないか!それを!それを!こんな陰険極まりないことをして!」
いつの間にか、部長、課長など職場の連中が社長室に入っていた。そしてみんな私を冷たい目で見ている。いつも私の意見にそうだよね、私も社長に訴えるつもりだとか言ってたのに、今は何故かこの男はなんて酷いことを言うのか、こんな陰険な奴だったなんて信じられないと言った表情で私を蔑んだ表情で見ている。そのみんなの蔑みに耐えられず私はもう体面などかなぐり捨てて洗いざらい社長にぶちまけた。
「最近職場がドブみてえにくせえと思ったら、やっぱりお前のせいだったのかよ!もうはっきり言ってやる!お前、そのひどすぎるカレー臭はやくなんとかしろよ!トイレの除臭剤でも全身にかけとけよ!」