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『全身女優モエコ』キャラクター紹介(随時更新)
本記事は連載小説『全身女優モエコ』のキャラクター紹介です!随時更新しますので気になる方は要チェックです。あとあのキャラクターの紹介をしてほしいとかご要望がありましたら下のコメント欄にお願いします
主要キャラクター
火山モエコ
本作の主人公:火山モエコ。戸籍上の本名は桧山萌子という。火山の麓の村の貧乏人の家に生まれ、貧しさのせいで小学生の時はクラスメイトにいぢめられていた。幼いころからテレビドラマが好きで小学校の頃は学校の帰りに隣の町の電気屋まで行ってテレビドラマを観ていた。しかしとある事件のせいで電気屋が閉まってしまい、テレビを観れなくなったモエコはショックでテレビ中毒となってしまう。テレビ中毒となった彼女は他人の家に入ってテレビを盗み見するようになってしまったが、とある家に侵入した時住人に見つかってしまった事がきっかけでお友だちと称する大人の男たちとの不埒な交際を始めることになる。彼女は放課後にたまたま見た自分のクラスの文化祭の出し物である『シンデレラ』の舞台稽古を見て女優になろうと思い始める。小学校最後の文化祭でシンデレラ役の代役を努めて大騒動を巻き起こしそのまま演劇の道に進んで中高と演劇部で舞台活動をする。しかし高校演劇大会の県大会で起こった事件により高校退学を余儀なくされた彼女は村の火山の噴火から命からがら逃げて女優になるために上京する。その後にマネージャーとなる猪狩に拾われて色々あって鶴亀芸能事務所に入所する。
性格は基本的に猪突猛進、大げさ、派手好き、過剰なまでの自信家でかなり自己陶酔気味。幼少の頃から年の離れた男性と不埒な交流をしていたにも関わらず、意外にも男性には奥手である。地元では同年代の異性とは付き合っておらず、ずっと処女のままであった。
猪狩鎮保(私)
この小説『全身女優モエコ』の語り手であり、彼女の生涯のマネージャーであり火山モエコの全てを知る人物である。大学時代就職が見つからなかったときたまたま芸能事務所のマネージャー募集の広告を見て鶴亀事務所に入所した。元々は同じ事務所に所属する白星真理子のマネージャーであった。白星と一緒に地方の仕事から帰ってきた彼は東京駅のホームで派手なドレスをモエコに出会う。初めは只の家出少女と彼女を相手にしなかった猪狩だが、すでにモエコの才能に勘づいていた白星の説得を受けて彼女を一緒に連れていくことにした。その後いろいろあった結果事務所に入ることになったモエコのマネージャーも兼任することになった。
口は悪いがいたって真面目な男。鶴亀事務所に就職して三年目であるが、他の社員が他者からの引き抜きとヤクザ事務所時代からのコネ採用がいるせいで社内では一番下っ端。年下にもチンポさんとバカにされる。事務所では芸能人を除いて唯一の大卒であるが二流大卒であることと、男であるという決定的なハンデのせいで尊敬されない。
白星真理子
鶴亀芸能事務所所属の女優である。マネージャーはモエコと同じく猪狩鎮保。東京駅のホームでモエコに出会った時彼女にただならぬものを感じて彼女を一緒に連れて行くように懇願する。その翌日自分が出演する舞台稽古に一緒に連れて行ったモエコが三日月とバトったせいで芸能界を追放されかけるが、事務所の社長である鶴亀満五郎のとりなしで事なきを得る。モエコの才能をいち早く見抜いた人物であり、彼女の唯一の親友であった。
彼女は某名門大の学生であるが意外にもかなりの天然でおっとりしている。あまり自分の意見を主張しないタイプで、意見を求められた時でも笑ってごまかすことがある。しかしそう見えてもどこかに心の強い所があり、いざという時にはちゃんと人に逆らってでも自分の意見をちゃんと主張する。
三日月エリカ
女優火山モエコの生涯のライバルである。父親は財閥の御曹司で母は大女優岸壁洋子である。中学時代に映画デビューし、一躍人気女優となる。モエコとは映画のロケで来た九州の某県の火山の麓にあるど田舎の村で出会った。その際にロケの見物人だった地元の女子高生のモエコとトラブルを起こし、そのせいで癇癪を起して父が飛ばした自家用ジェットで東京に帰ってしまった。その後モエコと東京で再会するが、そこでもトラブルを起こした。モエコと三日月は育った環境こそ真逆であるが、意外にも性格は共通点が多い。大げさ、派手好き、過剰なまでの自信家でかなり自己陶酔気味な所などそっくりである。しかしモエコは三日月のお嬢様っぷりに嫉妬し、この醜悪な性格の女が持てはやされるのかと嫉妬をむき出しにしていた。
芸能界のサラブレット中のサラブレットだが性格は最悪。父の財閥の力と母の芸能界の縁故をフル活用して芸能界をしたたかに生き抜く絶対的な強者である。
神崎雄介
主演ドラマ『情熱先生』で有名な俳優である。人気俳優でありモエコの憧れの俳優でもあった。モエコとは三日月と同じく映画のロケ先であった九州の某県の火山の麓にあるど田舎の村で出会った。神崎は情熱先生で一躍青春スタートしてブレイクするが、その前は二時間物のメロドラマやサスペンスドラマに出ていた。モエコは『情熱先生』を全く観ていなかったが、神崎の出ていた二時間ドラマには小学校時代に夢中になり彼に恋すらしていた。背が高く彫りの深いハンサムな男であるが、どこか謎めいていてなかなか己の姿を見せない男である。
鶴亀満五郎
後に昭和の芸能界の伝説と言われた人物である。元々は広域暴力団の幹部だったが、本部と揉めて組ごと独立してカタギになり組の構成員で芸能プロダクションを設立した。ヤクザ時代から芸能界と深く関わりがあり、某演歌歌手や女優は彼の愛人だったと噂されている。小柄の老人でいつも杖を使っている。しかし長年渡世の世界で生きていたからかその体からはヤバさがにじみ出ている。三味線が趣味で二本の指が欠落した手で弾かれる三味線はなんとも言えない味があるということだ。
海老島権三郎
昭和の映画界を代表する大俳優。主に時代劇で活躍したが、現代劇でも評価を得ており、数々の賞を受賞している。いわゆる芸能界の大御所であるが、強気を助け弱気を徹底的にくじくという最悪の極みのような性格で、自分を先生と呼ばなかったり、彼が無礼と感じた態度を取ったものは勿論だが、自分の嫌いな人間や、脅威になりそうな役者は徹底的にいぢめる。海老島と共演するキャストは彼の元に挨拶に行かなければならないというルールがあるが、それを破ったキャストは徹底的に彼にいぢめられるか、仕事を干されるかの二者択一の選択を迫られることになる。
南狭一
『リボン』や『悪魔なボク』のヒット曲で知られるアイドル歌手・俳優。一時期物凄い人気を博した。イモリ人間と呼ばれ、中性的な魅力が売りのアイドルである。南は所属の少年アイドル専用事務所の社長に大変可愛がられ、彼のお稚児さんと呼ばれていたが、実際にはかなりの女好きで女性関係で度々問題を起こしている。
性格はやっぱり最悪。今もなお続く芸能界の乱れっぷりを象徴する人物である。
蟹谷健三
知性派俳優として知られている名優。数々のドラマや映画で名脇役を演じた。彼は警察官僚の息子で彼自身も某名門大学を卒業している。専攻はフランス文学であった。だが、やっぱり性格は最悪。共演者たちにはむっつりスケベと陰口を叩かれ実際に何人もの共演者した女優に手を出している。
三添薫
戦後の映画界を代表する大女優。ものの本によると彼女の登場は戦後の到来を告げるものであったらしい。彼女は戦前に子役で映画デビューしたが、彼女が女優として一般に知られるようになったのは彼女主演で作られた戦後映画の傑作の数々においてである。三添は青春映画の女優として出発したが、その後人生経験を積んでより多様な役をやるようになった。この物語の中で数少ない善人である。
九州時代の登場人物
モエコの両親
モエコの戸籍上の親である。とにかく清々しいまでのクズ親で、生まれてからずっとモエコを疎まし思っていたが、モエコがいわゆるパパ活とも呼べるお友達ごっこを初めて金をためているのを知ってからは急に卑屈な態度でモエコに金をせびり競馬代やキンキラキンのドレスを買いまくるようになる。モエコが高校時代になると店の経営を夢見て実現に向けて動くがモエコが起こした事件で頓挫し莫大な借金を背負うことになり、絶望に沈むモエコに最低の書き置きを残して失踪する。こんな最低の両親であったがモエコは両親を愛しており、自分が原因の事件のせいで借金漬けになるであろう両親のために売春することまで考えていた。
お友達一人目:地主の一人息子
モエコの九州時代の不埒な交際相手の最初の男である。三十ぐらいのデブでアニメ好きである。彼は金は沢山あるがアニメ好きのため現実の女性との交際経験はない。彼は後にモエコの家族とお近づきになり、彼女の家に泊まったりもするが、モエコが自分の他にお友達がいたことに気づいたのはあの悲劇の直前であった。
お友達二人目:財閥の御曹司
モエコの九州時代の不埒な交際相手の二人目である。彼は大財閥の御曹司で長い放浪の果てに九州のド田舎の街に住み着いたらしい。芸大で絵を学んでいたそうだが、画家としては目が出ず、今は看板描きをしているらしい。しかし実家から莫大な金額の援助があり生活には全く困っていなかった。財閥の御曹司であり文化的な素養も豊富な男でモエコにかなりの影響を与えた。
お友達三人目:高校の教頭
モエコの不埒な交際相手の最後の男である。モエコの通っていた高校の教頭でもあり、モエコが交際を始めた時はまだ一教師であった。独身であるが教師として教育委員会にも認められていたため教頭に出世した。性格は真面目一徹で風俗を毛嫌いしている。そんな男がモエコと交際をしていたのだから世の中はわからない。
文化祭の舞台のシンデレラ役だったクラスメイト
モエコが代役で主演した小学校の文化祭の舞台『シンデレラ』で本来ならシンデレラをやるはずだったクラスメイトである。彼女はモエコいぢめの主犯格でいつもモエコを煤っ子だといぢめていた。彼女はシンデレラで王子役のハンサムボーイと共演するのを心のそこから楽しみにしていたが、その王子が初めて舞台稽古に参加した時王子役にブスとは共演したくないと面と向かって言われショックのあまり病気で倒れてしまう。クラスメイトから自宅のベッドでモエコが代役でシンデレラをやることになったと聞かされた彼女は発狂してクラスメイトに鉄の箒でモエコをぶん殴ってくれとお願いする。
王子様役
モエコが代役で主演した『シンデレラ』の王子様役である。この少年はド田舎では表情に珍しいほどの美少年で、担任が是非王子様役になってくれと三顧の礼を持って懇願して出てもらったくらいであった。彼は体育館でクラスの女子たちをブスどもと共演なんかできるかとからかって逃げ、ステージに上がったが、その少年の行為に大激怒したモエコに殺されかける。だが彼は自分を殺そうとしたモエコを恐れるどころか夢中になってしまい、後のシンデレラとなったモエコの奴隷となる。彼はそのご褒美として舞台の最後にモエコからキスのプレゼントをされたが、それが彼の後の人生を狂わせてしまった。
クラスメイトの女子たち
モエコのクラスメイトである。この女子たちは全員モエコを嫌いバカにしていた。それはモエコが煤まみれの貧乏な家に住んでいたのと、そしてそんな家に住んでいるにも関わらず彼女が田舎ではありえないぐらい美人だったからである。彼女たちはシンデレラを演じるはずだった少女が倒れてしまい担任によって保健室に運ばれた時、彼女を心配するどころか自分たちをブスと罵った王子様役の少年とずっと喧嘩していた。シンデレラ役を演じるはずだった少女の見舞いに行った際彼女たちは少女からモエコと王子を鉄のモップで殴れと頼まれるが、この女子たちはこの子はともかく自分たちをもブス扱いした二人を叩きのめしてやるといって彼女の願いを引き受ける。
モエコの担任
今の教育問題を象徴するような無責任の極みの典型的な教師である。彼は日ごろクラスでのモエコいぢめを見て見ぬふりして無視していたが、文化祭が近づき自分の教師としての評価が問われるかもしれぬと危機感を持ち、急に真面目になって生徒にモエコをいぢめるなと説教をしだした。彼は王子様役とクラスの女子たちが喧嘩した際、王子役の顔に傷がついたら大変と捨て身で王子をかばうが、その結果クラスの女子たちにモップで顔をボコボコにされ、顔中に巻いた包帯が真っ赤になる程の怪我を負った。文化祭の舞台で運悪く校長と隣の席になってしまい、いつモエコいぢめがバレるかとひやひやもので舞台を見守っていた。
校長
モエコの通っていた小学校の校長である。大学時代では演劇を学んでいて将来は役者になるつもりだったらしい。彼はモエコの担任と一緒にモエコの『シンデレラ』を観たが彼は舞台の素晴らしさに感動して担任に向かってブレヒトや彼の理論である異化効果、それとスタニスラフスキーの名を挙げて舞台を絶賛するが、演劇に無知どころか社会的な常識さえ知らなさそうな担任と全く話が通じなかった。