オフィスラブ
春は恋を連れてやってくる。春一番によって冬は季節の果てまで飛ばされた。僕らのオフィスも急に色鮮やかになってなんだかここにいるだけで恋をしてしまいそうになる。しかしまだ仕事中。恋の時間は終業のチャイムまでお預けだ。そんなふうに自分を抑えて見ても恋する気持ちなんて抑えられるはずがない。今日は残業さ。僕と君。他の連中はもう帰ってしまった。僕らのオーバーワークは二人を危険な道へと誘ってしまう。夜の誰もいないオフィス。蛍光灯が僕らだけを照らし出す。さぁそんな仕事を放り出して今から始めよう。週末までなんて待てないよ。
「アンタぁ、まぁた下半身丸出しでオフィスの床にちんこ擦り付けてるな!もう毎回やめれっていってるだんべぇ?オラ東京さ、出稼ぎに着てはずめてアンタ見てビックリしただよ。アンタオフィスの床に向かって「あいすてる」とかちんこ擦り付けて!やめれ、いくらオフィスの床あいすてようが絶対結婚できねえだよ。だってオフィスの床は人間じゃねえからな!」
「お前また僕らを覗きにきたな!帰れ!僕とオフィスの愛の世界に入ってくるな!」
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