妊娠物語3

妊娠…プレゼント その2

 ダーリンがケーキに齧り付きそうな感じだったから、私はダーリンを羽交い絞めにしながらローソクを吹いたの。ダーリンは怒って暴れようとするけど、今回はアナタじゃなくてアタシの誕生日なんだら大人しくして!って力入れて絞めたら泡吹いて大人しくなったの。

 ロウソクを全部消したらみんな大拍手して「サル子おめでとう!」って言ってくれるからまた涙が溢れてきたの。


「今度のドラマの『全身女優モエコ』ってやばくない?イっちゃってるよね」

「私『ウシ男クソ女』ってネットでやってるドラマ観てるよー!」

 みんなの取り留めのない会話が続く間、私はいつ告白しようかとタイミングをはかっていたの。今日こそは絶対に告白しなきゃ!みんなの話が一通り終わったころを見計らって私は毛だらけで全身真っ黒なダーリンを抱えて立ち上がったの。

「みんな聞いて、今日は皆さんに報告したいことがあります。私……猿山サル子は妊娠しました!」

 ええっー!と友達みんなは大騒ぎ!サル子付き合ってる人いたんだ!すると友達の一人が「もしかしてあの、速水もこみちに似たかれとより戻してたの?」とか言うから、私はダーリンを指さしながら続けたの。

「アイツじゃないわよ!あんなバカとっくに分かれたわ!子供のパパはこの人!毛だらけで全身真っ黒なダーリンよ!」


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