浮かれたキッズ
若い連中が浮かれているのは別に今始まったことじゃない。江戸の昔から、いや平安の昔から若い連中は浮かれていたのさ。時代が変わろうが、若者と老人の二項対立ってのは永遠になくならないと思うんだ。浮かれたキッズとそれを嗜めるオールドマン。僕らはキッズとして生まれてやがてオールドマンになってゆく。僕はあくまでキッズたちの前に立ちはだかって押さえつけるつもりさ。それは彼らを排除するためじゃない。逆に彼らを伸ばすためだ。キッズは押さえられたら押し返すだろ?その力が彼らの時代を作っていくんだ。そのためなら僕は喜んで捨て石になるよ。キッズたちが僕のことを思い出してあの爺さんやたら頑固だったねとか笑い話のネタにでもしてくれたら最高だね。ほらきたぞキッズたちが。
「あのおじいさん。優先席独占するのやめてもらえませんか?ここに若い妊婦さんも、松葉杖を抱えている高校生もいるんですよ」
「年寄りに寛容さを求めるなんてナンセンスさ。僕を優先席からどかしたかったら力づくで奪えよ。さぁ力づくでこの伸ばし切った足をどかしてみろよ」
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