あなたを逮捕します!
まるで学生時代に帰ったような胸のときめき。あなたを見かけた時からずっと感じていたの。その危険なまなざしを見た瞬間、ピンと来たんだ。この人がそうなんだって。いそいそと駆けてゆくあなた。やっぱり避けられているような気がする。バレちゃったかな。私の思い。あなた捕まえたいっていうこの強い思い。私を鼓舞するように鳴る拍手。胸のときめきがますます高まってゆく。あなたはこちらを気にして時々後ろを振り返っている。バレないように隠れる私。でもあなた多分気づいているよね。私があなたを尾行してるって事はもうバレバレ。バッて登場して驚かせてやれ。胸の鼓動を抑えて取り出した手帳。ぎゅっと握りしめて私は彼の前に飛び出して言った。
「あの……私」
びっくりして後ずさる彼。でももう止まらない!
「警視庁の刑事です!あなたを下着泥棒の現行犯で逮捕します!」
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