未来の自分に向けて書いた手紙を読み返したら泣けてきた
今日未来の自分に向けて手紙を書いた。どうしてそんな事をと聞かれても別に理由なんてない。ただ無性に書きたくなっただけだ。僕はいろんな未来の自分に向けて手紙を書いた。十年後の成功しまくった自分。二十年後のスーパーモデルな妻と子供を連れてコストコに行くセレブファミリーのパパな自分。一年後の成功の手がかりを掴んだ自分。最後に未来を勝ち取るために猛烈な努力をしている自分にむけて励ましの手紙を書いたのだ。感動的な文章で君の努力は報われるとか励ましの言葉を。あるいはチャンスを見逃すなとか、成功に溺れて自分を見失うなとかいった忠告を。そして全てを手に入れたコストコセレブな自分にはおめでとうの祝福を。そんな事を感情のままに書きまくったのだ。未来の君たちは僕に手紙を書く事は出来ない。時空が往復なら君たちたちのメッセージも読めるのに。手紙を書き終えたらぐったりして眠たくなった。僕は今日は何もする気になれなくなり、YouTubeでアニメを観まくってから思いっきり寝た。
夢の中で僕は未来の自分と会った。未来の自分は僕の描いた未来の姿そのままだった。僕は未来の自分の姿にうっとりしたが、その未来の自分たちは何故か厳しい顔をしていた。特に明日の未来の僕が明らかにイライラした表情で僕を睨んでいた。彼は踵で床を蹴って僕に言った
。
「で、今日の努力はいつするんだよ!早くしないと俺消えるんだけど。それにこのままずっと努力しないとお前の未来崩壊すんだけど。あのさぁ、手紙なんか書く暇あったらちったぁ努力しろよ!いつまでも夢見てんじゃねえ!」
悍ましい夢だった。これまでに見たことのない悪夢だった。僕は時間が気になって部屋の柱時計を見た。もう日は翌日であった。僕はあかりをつけて机の上に置いていた未来の自分に宛てた手紙を読み、思いっきり号泣した。