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戸惑い

 戸惑い、躊躇い、葛藤。それを乗り越えて私は顔を上げる。あれは十九歳の夏、私は初めて男の家に行った。奥手だった私。こんな不細工な身体を人に一生見せることなんてないと思っていた、だけどあの人がこう言ったの。恥じらいなんか捨てて全てを僕に委ねなよって。この言葉を聞いて私は思った。こんな醜い私を受け入れてくれるのはこの人しかいないって。彼の家に行く前、私は自宅の鏡で裸になって自分の身体を見た。全くなんて醜い身体なんだろう。こんな不細工なの人間としてあり得ない。私はすぐに服を着た。でも彼はこの私の全てを受け入れてくれるはず。

「いいんだね」の言葉に頷いた私のシャツのボタンを一個ずつゆっくり外してゆく彼。ボタンを外されて目覚める羞恥と自我。私は生まれ変わるんだ。今恥じらいを捨てて。体の奥深くに隠した欲望。ほら、下の口が今動き出すよ。

「カミン!いつでもファックしてOKよ!上の口より私を信じて!」

 彼はお腹にあるデカ過ぎる下の口を見て腰を抜かしてへたりこんだ。私は慌てて下の口を閉じようとしたらなんと興奮し切った下の口は手を噛んできた。そしてファックミーと喚きながらなんと彼を丸ごと食べてしまった。

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