見出し画像

この時間だから感じること


一日が終わり、朝になったら来る「明日」へ向けて色んなことのリセットが始まる時間。
嬉しいも悲しいも、昨日のことになって「昨日」に閉じ込められる。「明日」が来るまでに少し時間があるせいで、心が空っぽになる時間。この時間に感じること,思うことは、「昨日のこと」でも「明日のこと」でもない、宙ぶらりんなきもち。でも、きっと素直なきもち。

お世話になったあの人は、もう長いこと連絡を取っていない彼は、たくさん悩んでいた彼女は、あの子は、何を感じているだろう。

僕は、空っぽになる心に淋しさを感じる。
あと、少しだけ怒っているのと、少しだけ悲しい。
たくさんの宙ぶらりんな時間を一緒に過ごしていた君が、いつのまにか居なくなり、そんな君のいない生活が普通になって、その生活にも慣れきった自分自身に少し怒っている。
それから、君の一日にどんな嬉しいこと悲しいことがあって、それをどう感じたか、どう考えたか、表情をコロコロ変えながら一生懸命に話す君に、「うんうん、それから?それで?」と聞き返せないことが、少しだけ悲しい。少し。

このきもちは、宙ぶらりんなきもち。
少し目を閉じればあっという間に「明日のこと」に埋もれていく。

温かい飲み物を枕元に、このきもちを抱き枕にして、ふかふかのお布団の中で、一緒に宙ぶらりんになってあげようと思う。この時間だから感じること、だから。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?