好きな言葉(1)

誕生から死まで,日曜から土曜まで,朝から晩まで,すべての活動が型にはめられ,あらかじめ決められている。このように型にはまった活動の網に捕らわれた人間が,自分が人間であること,唯一無二の個人であること,たった一度だけ生きるチャンスをあたえられたということ,希望もあれば失望もあり,悲しみや恐れ,愛への憧れや,無と孤立の恐怖もあること,を忘れずにいられるだろうか。

エーリッヒ・フロム『愛するということ 新訳版』(紀伊国屋書店,1991)36頁

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