ライズオブローニンとゴーストオブツシマの違い 個人的メモ
個人的な振り返りとして、日本の歴史をモチーフにしているアクションオープンワールドゲームという共通点のある2作について、両方ともプレイしたうえで改めて比較してみたいと思います。
ただの感想文であって分析とかではありません。
初めに言っておくとどちらが上とかではなく、両作品共に傑作だと考えています。
ツシマについてはプレイしたのが数年前なので細かい点は記憶違いがあるかもしれません。
時代設定・背景について
ゴーストオブツシマ
・鎌倉時代の元寇がモチーフ(1200年代頃?)
・登場人物は全て架空の人物(モデルはいると思われる)
・黒澤映画リスペクト
ライズオブローニン
・舞台は幕末(1860年頃)
・主人公は架空の人物(プレイヤーのキャラクリ)で、登場人物は一部架空の人物もいるが殆どが実在の人物
→時代で言うと600年離れているので同じ侍ゲームと言ってもかなり舞台設定が異なっています。奇しくも武士による政権が始まった鎌倉時代とその終わりの幕末ですね。
幕末は西洋の文化が入り始める時代なのでローニンでは短銃や銃剣などの新しい武器が実装されていたり、キャラの服装も一部洋服だったり和洋折衷です。
海外の脅威を前に佐幕派と倒幕派が対立した時代背景がゲームの中で重要な要素にもなっています。
ツシマは黒澤映画リスペクトなだけあり、ザ・和な感じ。
製作者インタビューでかっこよさやエンタテインメント優先で時代に合わなくてもわかったうえでそうしてる部分があると言われている通り、一部鎌倉時代というより戦国〜江戸時代っぽく感じるところがありますが、架空の物語ですし日本らしさそのものは維持されているのでいいと思います。
ちょっと一部の人物の名前が現代っぽいのとか読み方は本当にそれでいいのか?などと思ったのが気になった程度。
ハリウッド映画などでよくあるなんじゃこりゃ!?となるようなトンデモジャパンではないので現実に引き戻されずに物語に集中できます。
かなり研究されて作られてると思う。
100万回言われてるけどこれを外国の会社が作ったのすごいよほんとに。
ストーリーについて
・ライズオブローニン
主人公は選択肢により佐幕派と倒幕派どちらに味方するか選び、それぞれの立場の仲間達と知り合い、時に共闘し、時に対立します。
あくまでフィクションなので実際の歴史とは違うところも多々ありますが、基本的に歴史の流れに沿って物語は進むので歴史を少しでも知っているとより楽しい。
日本人からしたら幕末は人気ありますし知ってる人物が次々と出てくるので興奮しますが、一方で江戸時代の成り立ちや政治体制などをなにも知らずにプレイしてスムーズに話がわかるのか…!?と少し思いましたがどうなんでしょう?
でも海外の方も楽しんでる反応あるし意外といけるのかな。
史実を見るとかなり苛烈な時代ですが、過激さをマイルドにしてあくまでエンタメとして楽しめるように昇華させている印象です。
・ゴーストオブツシマ
元寇から着想を得たオリジナルストーリー。
時代劇なんですが海外ドラマのようなシビアで重厚な脚本により新感覚の面白さが生まれています。
洋ゲーと時代劇のいいところがコラボしている。
一部の洋ゲーで途中まではすごく面白くて盛り上がるのにラストがあまりにもあっさりしていてエンドロールもなく、これで終わり?と戸惑うことがあるんですが、ツシマはラストまでしっかり描いて物語を完結させてたところもよかった。
人を選ばない万人向けの物語と言えますし、だからこそこれだけ世界中でヒットしたのでしょう。
登場人物達もそれぞれ個性豊かでクセが強い。
洋ゲーはあまり売れない傾向がある日本でもヒットしたのはSNSでバズるパワーワードを持っていたのも強かった気がします。
アクションについて
これについては双方の作品の目指すものが明確に異なるように思います。
まず武器の種類について、ローニンは刀や槍などのスタンダードな武器から銃剣などとトリッキーな武器まで幅広く、武器自体にスキルが付いており収集要素があるのに対して、ツシマは刀一筋です。
また、モーションを比較すると、ローニンは軽快でスピード感のあるモーションで爽快感があり、ツシマは重みのある太刀筋の美しさ、格好良さで魅せるモーションで映画の中の強い侍になったような没入感を得られるという印象があります。
とあるモードが解禁された時は鳥肌ものでしたね。
ローニンは武器種だけでなくいくつも流派があり、色んな戦い方を試すのが楽しくて道場にこもりきりになると気づいたら時間が溶けている。仁王のノウハウがモロに反映されていて本当に中毒性のあるアクションです。
ステルスアクションは両作品ともにかっこよく、強力で楽しかったです。正面から行くと倒すのに数分はかかる相手を一撃で倒せるコスパの良さ。
キャラクタービジュアルについて
これも双方の作品で明確に異なりますね。
ツシマは昔の日本映画に出てくる俳優のような鬼気迫るビジュアルで揃えたんだろうなと思います。
SNS等でキャラのビジュアルに不満が書かれているのをたまに見かけましたが、この世界観で汚れひとつない化粧ばっちりで髪がツヤツヤなお人形さんみたいなキャラが出てきたらそれこそ場違いだと思うのであれで正解なんだと思います。
ローニンのキャラデザはリアルさとゲームキャラ的な美しさのバランスが本当に素晴らしいです。
そのキャラが属している勢力や個人のエピソードなどを反映して個性を出しつつも派手すぎず、現実離れしすぎないデザイン。
渋い男前達と凛とした綺麗な女性たち揃いなのでキャラを見ていて眼福です。
キャラの顔をフォトモードでアップにすると、肌荒れだったり目の下のクマだったり髭の剃り跡まであったりして、キャラごとにみんな違う顔をしている。ただ綺麗にツルッとした顔にすることも出来ると思うんですが、そういうリアルな人間味のある作り込みに感動しました。
欠点となり得る要素も入っているのに不思議と魅力的な顔立ちを作れるTeam Ninjaのキャラデザ力ってかなりハイレベルなのではないでしょうか。
まとめると、実写映画を再現するようなデザインのツシマ、リアルに寄せながらもあくまでゲームキャラとしてのデザインのローニンといったところでしょうか。
オープンワールドゲームとして
両作品ともに理想的な良いオープンワールドで、例えば下記のような共通点を感じました。
・ロードが爆速で快適
・美しい自然風景や名所、史跡を駆け巡る体験
・賊によって荒廃した村を救出して治安を改善
・各地の神社をお参りしてパワーアップ
・動物を愛でる(ツシマは狐、ローニンは猫と犬)
どちらが先かというのはあれですが、仁王からある要素もありますし、ゲーム業界は相互に影響を受け合っているのだなと思います。
また各地で依頼を受けるサブストーリーも単なるお使い的な作業ではなく、物語があって楽しかったです。
ツシマは俳句?短歌?が詠めたり温泉入れたりするのもユニークでしたね。
総評
どっちも神ゲー。これにつきます。
この2作品は作り手のこだわりと愛情が随所に感じられて、そんなところが大好きです。
日本の歴史を舞台にした大作オープンワールドゲームを作ってくれて本当にありがとう。
大炎上した某ゲームも、最初に情報解禁されたときはすごく楽しみだったんだけどな…でもこの2作品があったから気持ちを持ち直すことができました。
続編や同系統の新作お待ちしてます!!!!!