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心に火が点く場所 【北川民次展】

北川民次展に行ってきました 
濃くて エネルギーを感じる絵が多くて、見応えありました


↑冒頭の作品は ケチャップ・トマトジュースでお馴染み「カゴメ」のための作品
このデザインが社屋の壁画になりました

名古屋市立美術館

ざっくりと経歴
北川民次 1894〜1989 (明治27〜平成元年)
静岡生まれ 早稲田大学中退後 渡米
ニューヨークの美術学校で学んだ後、メキシコで画学生として学んだのち創作
昭和18年 愛知県瀬戸市に疎開 帰国後は東京・愛知を拠点に創作活動
児童の美術教育にも尽力
🇲🇽メキシコ政府から 外国人に贈る最高勲章 アギラ・アステカ勲章を贈られる

初期の作品から晩年まで展示してあったけど
力強くて引き付けられる作品が多かったのは、やはりメキシコ時代

現地の人々が生き生きと描かれてました

葬列。死者を見送る人
この世界で命を得たばかりの赤子を抱く人
生と死の循環
メキシコのイケメン 背景の空気も濃密


花を描いても どこかエネルギッシュ

「芸術とは 現状に対する不満をエネルギーに変えるもの」という考えを感じさせる 社会派な作品も

戦争の重さとメキシコの乾いた空気
顔のない人間は、人を人として扱うことはない
戦争の酷さを暗示しているよう
アメリカ人とメキシコ人 支配する者される者

メキシコが本当に 合っていたんだな、心を躍らせながら描いていたんだろうなという感じ

日本では 創作の幅を広げて 絵本なども

シンプルながら動物たちの性格が顔に出てる笑

社会派の作品

やりたい放題の権力者 政治家に苦しめられる市民
国会議事堂に飾ってほしい絵ですね笑
文科省と親の圧力で勉強させられる子供
学歴社会と受験と 子供のメンタル疲弊
現代を予見するような絵

メキシコ時代がメインの展示室と 日本での作品がメインの展示室とは別でした
どちらの作品も変わらないスタイルで描いているんだけど、なんか部屋の温度が違うというか

「メキシコ時代のほうが心を燃やしながら描いてたんだろうな」という気がしました
戦争があったり、妻子が暮らすことも考えると 日本が良かったんだろうけど

そう思ってたら、一緒に行った家族も「メキシコのほうが合ってたんだね」と言うので
日本で暮らす北川が そう感じた日もあったのかも知れない。

現代だって、海外で暮らすほうが生きやすいという人が少なからずいるし
何より「逆境でも 大地を踏みしめて力強く生きる」南米マインドと
反骨精神を持つ北川民次は波長が合ってたわけだし。

同じような線の太さ、同じような濃い色彩で描いても
「心が燃えているかどうかは 表れてしまうんだな」と思いました。

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noteとは別のブログでも 多くの方に読んでいただきました♪感謝










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