水平線に耳を澄ませる
私たちは自分に引き戻されるのをたえず恐れている
それは常に自分の死について考えること、すくなくとも、その思考の果てに死が待っているような思考だからだ
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もしもなんてない。可能性などない。わたしはいつだって墓場だ。あらゆる可能性の漂着する死の浜辺だ。
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その残骸たちで遊んでいる。心を痛ませながら、愛の輪郭をたしかめながら。
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ガラクタたちと一緒に浜辺に寝そべってみることだ。波の音に澄ませた耳で、自分自身を散り散りにしながら。
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世界は二つ以上のガラクタを突き合わせたときにはじまる
あるいは0と1のガラクタを突き合わせたときに
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夜空に散らばった星を結んで星座にする。その星座からはじまった物語を地上に下ろしてくる。これが、世界。
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夜空のガラクタと地上のガラクタの対話。海の向こうで会いましょう。私もあなたのように心の裏側へ行きたい。あなたを持ち上げるその手に祈って
届きますように
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一度波にまかせたガラクタたちはもう二度と戻ってこない
それでも、たとえガラクタであっても、手放すことができるかどうか
ためらいが兆すならそのためらいをしっかりと感じとめることだ
本当の意味であなた次第となるためにそれは必要なことだ
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地上のガラクタと空のガラクタの狭間に生きて、なにがしたかったのだろう。問いかけて返る答えはいつも波の響きだ
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その響きの中に溶けてしまいと思う祈りもまたガラクタになって待ち続ける
読んでくれて、ありがとう。