〈えくぼの先輩〉 お気に入りのあだ名
小学生の頃、よく話をした男の子がつけてくれたあだ名が〈えくぼの先輩〉である。
多分、あとにも先にもこのあだ名で呼んでくれたのは彼だけだ。
きっと彼にもえくぼがあったのだろうが、覚えていない。確か、同じクラスになったのも一年くらいで、転校してしまったからその後は知らない。
自分にえくぼがあるなーとは思っていたけれど、あだ名をつけてもらったことで、えくぼを通じた仲間意識みたいなものが、なんだかくすぐったくて嬉しかった。
幼い頃、姉は「かわいいね〜」と褒められ、その横で私は「賢そうだね〜」と言われていた。
子どもでもなんとなく感じる大人の気遣い。
だからなのか、自分の顔にはずっと自信がない。
それでもニコニコ笑顔で日々を過ごし、笑顔だらけの子供の頃の写真を見ると、両親がいかに愛情深く育ててくれたのかがわかる。
遺伝子は強いもので、子どもたちにもえくぼは受け継がれている。
時にはえくぼの内側を噛んでしまい、口内炎を発症することも。
えくぼが深すぎて自分で笑ってしまう。
歳を重ね、シワが増え、
笑いジワたちとえくぼは一体化してしまい
以前よりは目立たなくなってしまった気もするけれど、
チャームポイントはえくぼ
いい年して思えている自分が
ちょっぴり好きだ。
えくぼの先輩は
今もえくぼとともに、笑って過ごしています☺️