クローン病との向き合い方 ③
クローン病になって一番苦労したことは何かと問われたら、私の場合はこう答えます。
今までの「頑張り方」が通用しなくなったこと。
幸いなことに、私は子供の頃から肉料理やジャンクフードがあまり好きではありませんでした。
そのため、クローン病発症後の食事制限については比較的簡単に適応していきました。
それよりも大きな問題は、「無理をしてしまうこと」を自制できないことでした。
私は育ってきた家庭環境もあり、「物事が円滑に進むのであれば、自分が我慢をすることは厭わない」というある種の信念のようなものが出来上がってしまいました。
それは社会人になってからも変わらず、
・頼まれたことは断らない。
・頼まれてもいないのに、自分ができることは首を突っ込んでいく。
・ご家族の事情等で急遽休みとなった同僚の仕事を引き受ける。
などなど、会社としては使い勝手のいい社員だったと思うのですが、
その無茶が災いして、クローン病が再発してしまいます。
当時は症状も落ち着いており、暴飲暴食をしなければクローン病の発症以前とほぼ同じような生活が出来ていたこともあり、少し油断していたのだと思います。
それまでは常に100%で働き、繁忙期には120%になっても仕方ない。
それが当たり前だと思っていました。
しかし、それでは長続きしません。
よく人生をマラソンに例えられることがありますが、まさにそうだと実感しています。
私の今までの人生は、全力疾走して、倒れて、また起き上がって全力疾走して、倒れて…の繰り返しでした。
このような生活をしていては、いずれ他の病気になって早死にしていたかもしれません。
クローン病になったことで制限されること、諦めざるをえなかったこともありますが、健康の有り難みを実感できるようにもなりました。
他人の為に動くことも大切ですが、それは自分の健康があって出来ることです。
四半世紀以上、このような生き方をしてきたので、すぐには変えることはできませんが、「自分を大切にする」。
まずはここから始めていこうと思います。