
夫のEDと不妊治療~人には言えない悩みを二人で乗り越える~
こんにちは、りんごです。今回は夫婦生活の話を書こうと思います。
はじめに
「夫がEDかもしれない…」そう気づいたとき、私はショックでどうすればいいのかわかりませんでした。セックスレスの悩みはよく聞くけれど、それが「そもそもセックスできない」という悩みになると、なかなか人に相談できないものです。ましてや、それが子どもを望む夫婦にとって、どれほど大きな問題になるのか、当時の私は想像もしていませんでした。
私たち夫婦がEDという現実に向き合い、不妊治療に踏み出すまでのお話です。もし同じような悩みを抱えている人がいたら、少しでも力になれたら嬉しいです。
夫のEDに気づいたきっかけ
夫のEDに気づいたのは、実は付き合い始めた頃でした。初めての旅行で彼が手を出してこなかったこと。そして、最終的には「飲みすぎた」と言い訳して最後までできなかったとき、なんとな~く違和感を覚えました。
その後、お泊まりする機会が増えたころ、当時彼氏だった夫が「実は最近急にたたなくなったんだ」と打ち明けてくれました。
私は、最初は深刻には考えていませんでした。いつか治るだろうし、もし子どもができなかったら犬でも飼おうよ!とか、軽く話していたほどです。でも、結婚して妊娠を意識し始めると、状況は変わっていきました。
夫にどう向き合ったか
結婚後、夫の仕事は忙しく、不規則な生活が続いていました。泊まりの仕事も多く、そもそも夫婦生活を持つ機会自体が減っていました。私は夫から誘われることがなく、本音が見えないことが辛くなり、ある日「本当の気持ちを教えてほしい」と切り出しました。
当時、家計の状況的に夫の立場が悪かった(経済的に私が援助していた)こともあって、夫はとても落ち込んでしまいました。気持ちはあるのに体が反応しないこと、それによって私を悲しませていること。さらに仕事のストレスも重なり、全てにおいて自信を失っていたのだと思います。(何においても”お金”は本当に大事だと痛感します…)
ただ、私は夫の気持ちを理解しようとしつつも、「人間なのだから性欲があって当たり前!」という自分の価値観を押し付けてしまいました。話し合うというより、”明確な答え”を求めてしまっていたのかもしれません。
夫婦関係の変化
夫のEDを意識するようになってから、夫婦のスキンシップは減っていきました。性に関する話題を避けるようになり、ボディタッチもぎこちなくなっていきました。
抱いてくれないのに触られると辛い(というか腹が立つ)——私にそんな気持ちがあったからだと思います。
普段の夫婦仲はとても良いのに、この問題だけは話せない。セックスレスの問題を抱える夫婦は多いけれど、「したくてもできない」という悩みは、お互いにより深い孤独を生むのだと感じました。
夫も「私に対して申し訳ない」と思っていたようです。でも、彼の性格上、深刻に考えすぎず、「ダメだったら次にチャレンジすればいいや!」と切り替えるタイプです。私にはそれが「何も考えていない」と受け取ってしまい、つい「じゃあ次はどうするの?どうゆう対策をするの?」と詰め寄ってしまうこともありました。夫にとってその時間が最も苦痛だったと思います。(実際にあの時間が辛いと言われたこともあります)
何度も話し合いましたが、結局、話し合えば話うほど、お互いの考え方の違いが浮き彫りになり、いつも平行線でした。
試したことと不妊治療への決断
夫のED改善のために、最初は運動や市販のサプリメントを試しました。その後、病院でED薬を処方してもらい、何度か試しました。しかし、硬さが持続しなかったり、逆に射精まで時間がかかりすぎたりすることもありました。夫の気分が悪くなる時があったり、薬自体が体に合わないこともあったようです。
夫曰く、「意識がそれると硬さが落ちる」とのこと。また、「挿入時間が長すぎると、私の方がギブアップしてしまう」という問題もありました。結果として、射精まで至らず、ED薬をもってしても、中で終えることができなかったのです。
夫には独特な価値観があり、過去に「性は成功の邪魔になるもの」と考えていた時期があったそう。その影響もあり、性を遠ざけすぎた結果、いざ必要(解き放たれる?)となったときに自信を失ってしまったのかもしれません…。
そして、夫40歳・私30歳を目前にして、「子どもを持つなら治療を考えよう」と決断しました。自然妊娠が難しいのなら、不妊治療を選ぶしかない。そうして、私たちは不妊治療専門のクリニックへ行ったのです。
今だから思うこと
振り返って思うのは、「夫婦生活と妊活は切り分けて考えればよかった」ということです。不妊治療に進む決断をもっと早くしていれば、夫婦関係に余計なプレッシャーをかけることもなかったかもしれません。
ただ、夫婦生活の問題は今も解決できていません。私たちは夫婦としてどうあるべきかを考え続けています。今はもう一度ED薬にトライしてみようという方向で進んでいます。
もし、同じように悩んでいる人がいたら、どれだけぶつかっても、お互いが納得するまで話し合ってほしいと思います。その結果、私たちは「考え方の違いが根本的に存在する」という事実に気づきました。でも、それでも一緒に進んでいくしかないのです。
そして、考え方の違いは、思いやりで補うしかない。
夫婦の形はそれぞれ違います。どんな形であれ、お互いに理解し、寄り添うことができれば、それが「夫婦」としてのひとつの答えなのかもしれないなあ…と思ったりします。
それではまた。