第38話 「僕は物知らず?」
「…検査の結果、お2人は、旧型パチマルウイルスに感染し、旧型パチマルウイルス感染症…通称PAVID-??(読み方:パビッドクエスチョンダブル)に罹患していることが判明しました。」
…パチマル?パビッド?
初めて聞いた。
でも、2人が感染症にかかっていたなんて…!
「モピドクター、それは大丈夫な感染症なの!?」
僕はすかさず聞いてしまった。
「モッピーさん、落ち着いてください。パビッドクエスチョンダブルはあまり重い病気では無いので、心配ご無用ですよぉ。」
「そうなんだ、良かった…」
じゃあモピ子ちゃんはとりあえずは無事なんだね。
「パ、パビッドクエスチョンダブルってもしかして、あのパビッドクエスチョンダブルですか…?」
モピ花ちゃんはなんか知ってるようだ。
「ええ。モピ花さんのご存知の通り、パビッドクエスチョンダブルはピーナッツ体独自の自然発生の感染症です。」
「やっぱり…。」
「自然発生?そんなのがあるの?」
「ありますねぇ。ピーナッツ体は古来から、先程も申し上げたパチマルウイルスが体内から自然発生する可能性をいつでも秘めています。自然発生した後は、一定の条件で他のピーナッツ体に感染することもあります。
つまり今回は、モピ子さんがパビッドに罹患し、それがモピ夫さんに感染したということになります。」
「そ、そうなんですね…」
モピ子ちゃんからモピ夫に感染?
え、てことは僕たちにも感染するかもしれないってこと?
「ちなみに、モッピーさんとモピ花さんは、今日お2人とずっと接触していましたか?」
「はい、いました。一緒に病院にも来ましたし…。」
「うん、いたよ。僕は抱きつかれもしたけど」
「ふむふむ。それでも感染してないってことは、お2人は感染の心配はありませんねぇ。」
な、なんだ。
でも、よくわかんないなぁ。
なんでモピ夫にだけ感染したんだろう?
まあ、いいや。
「それにしても、朝からの様子を見て2人がいつもと違うのは分かったけど、あまりにも楽しそうだったから、そんなウイルスに感染してるとは思わなかったよ〜。」
「そうですね。実はパビッドの症状は色々ありますが、主にはハッピー感、高揚感、息がしやすくなる、嗅覚・味覚に優れるなどの症状があるんです。」
「えええ、そうなの!」
なるほど。
全部の辻褄があった。けど…
「なんか、普通の病気とは症状がまるっきり違うんだね。」
「そう、それがパビッドクエスチョンダブルの特徴なんですよぉ。ピーナッツ体独自のハッピーウイルスなんです。」
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