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前世ムカデだった私が、チャボを飼い始めた。

チャボを飼い始めた。
しかも3羽。色違いの3羽。
可愛い。思っていた以上に可愛い。

そもそも、私は鳥があまり好きではなかった。理由は2つ。

1つ目は、鳥は空を飛ぶから。これは、空を飛ぶのが嫌というより、頭の上を自由に動き回られると怖いという表現が正しい。
鳥に限らず、虫も地を這ってる分には平気なのだが、頭上に来られると途端に恐ろしくなる。つまり、上空からの攻撃にめっぽう弱いのだ。おそらく、前世がミミズやムカデだったのだろう。

2つ目は、鳥は羽ばたくから。これも、羽ばたくのが嫌というより、羽ばたいたときに、大気中に何かが舞う感じが苦手。
こちらも鳥に限らず、例えばチョウが飛ぶときに、鱗粉が舞う感じも苦手。厳密には、チョウが鱗粉をまき散らして飛ぶことはないのだが、感覚的にそう思ってしまう。そして大気中に舞った何かを、吸ったらヤバいと直感的に思ってしまう。
おそらく毒ガスのような、目に見えない気体を使った攻撃に対して、強い恐怖感があるのだろう。これは、私の前世が「殺虫剤で殺されたムカデ」だったことを証明している。

そんな私が今や、チャボを「可愛い可愛い」と愛でている。
大気中に何かが舞っている鳥小屋の中で、頭上にいるチャボのために、せっせと餌やりをしている。

それほどチャボは魅力的だ。
前世ムカデだった私が言っているのだから、間違いない。

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