たまにはガンダム語らせて
私がガンダムに出会ったのは小学三年生の時。
64のスーパーロボット大戦(中古)がきっかけであるが、
アホガキにはちと難しいシミュレーションゲームだった。
訳の分からない糞げーを買ってしまったと瞬時に後悔したのだが、
それも束の間。
戦闘の格好良いBGM、熱いストーリー、ド派手な必殺技に引き込まれ、
気付けば虜。
気付けレンタルVHSである。
ほとんどすべての作品を見てきたが、
皆違って皆良い。
その中でも今回はファーストガンダムと呼ばれる、
最初の機動戦士ガンダムについて語りたい。
私が初めて見たのはもう放送から2,30年経った頃なので、
もっさい絵だなと思ったのが正直な感想である。
それに主人公の少年パイロット、アムロ・レイは
前半しばらくマゴマゴしていて全然活躍しない。
余りにもスロースターター。
そんな見続ける事を断念しそうな私に、
特別刺さったエピソードが一つあった。
それは第27話「女スパイ潜入!」である。
戦争の骨休めに補給基地に寄ったアムロ属する連邦軍だったが、
そこにはジオンの雇われ女スパイ(ミハル)が幼い兄弟たちと貧しい生活をしていた。
またアムロ同様否応なしに戦場に引っ張り出され、命を投げうってきた
少年兵カイ・シデンはこのタイミングで軍を離脱することに。
ミハルの接触により二人は出会うのだが、
鋭く鼻の利くカイは彼女がスパイであることと、
その報酬で弟たち兄弟を支えていることに気づく。
カイはそんなミハルを思い、
危険にならない程度に連邦の情報をミハルに匂わせる。
その後二展開程あり、
スパイとして罪悪感に苛まれたミハルは、カイと一緒に連邦軍の船に乗り戦うことにするのだが、その最中ミサイル発射の爆風により高所から落下し、亡くなってしまう。
その後ミハルを失ったカイはジオンと戦うことを決意する。
もともとカイ・シデンというキャラクターは、
皮肉屋で割と嫌われ者のポジションに位置し、
ヒョロガリのへたれヤンキー少年であった。(留年してアムロと同学年)
この第27話前後では、カイの優しい人思いの意外な一面が垣間見える話となっており、その多くを語らず含んだままにミハル達家族と接する様は、
何ともクソガキの私の心に響きに響いた。そして泣きに泣けた。
そしてこれこそがガンダムなんだなと理解した話でもあった。
今でもやはりこのシーンは大好きである。
ガンダムといえば"ロボットが戦う"
という一般の認識なのかもしれないが、背景ベースの"戦争"というものが大変よく練られている作品群なのである。敵味方、登場人物の心の揺れ動きもまたガンダムなんだと私は常日頃頭の中で説き続けている。
因みに続編のZではカイ・シデンは味方スパイになって登場する(胸熱)
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