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88 「ハムレット 」 シェイクスピア 作

「時の試練を耐え抜いた者たちシリーズ」
最近、時代を超えて残ってきた名作を読んでいこうと思ってます。

理由は2つ。
一つは悲しいかな、金銭的な理由です。
本を読みたいが、金が無い。
名作なら、Kindle Unlimitedで読める作品が多いんです。

もう一つが、やっぱり時の試練に耐えた者には、それなりの理由があるから、それを考えていきたいなと思いました。

僕が尊敬する人、タレブが「百年生き残ってるものは、今後百年生き残る可能性が高い」って書いてて。
「リンディ効果」って名付けてましたね。

今回は「ハムレット」です。
名作といえば、シェイクスピア。
以前、漫画で「ヴェニスの商人」を読んだんですが、
こちらは小説です。

〜〜個人的な見どころ〜〜

①名言
ハムレットといえば、
「生きるべきか、死ぬべきか、それが問題だ!」
が名言ですね!!
英語なら“To be, or not to be: that is the question”
ってなるようです。

「するべきか、しないべきか」とも訳せそう。
この本の中では、
「在るか、それとも在らぬか、それが問題だ」
でした。

どちらにせよ、葛藤ですね。
これから修羅の道(復讐)に入ろうとするハムレット。
修羅ってわかってるけど、止めれそうにない。

復讐しないで生きるのも辛い。
かといって、死後の世界もよくわからない。
一応、実の父の亡霊を見てるので、そうなってしまったらたまらん!ってのもあります。

問題だ!とか言いながら、本読む限りじゃ名言吐いてる時にはもう、to be、つまりやる!って決めてる感はありました。

復讐=王殺しなので、そりゃ後々キツい事になるのは目に見えてるわけですからね。
それでも、そのまま何もしないで死ぬ事をよしとしない強さ、今の人にはないかもですね。

そこに苦悩が窺えます。
最後の抵抗が、劇団に劇をさせ、王の反応を見る。だったんでしょうね。切ないっす。

②悲劇
悲劇ってのは、なんなんでしょうね。
今まで、「オイディプス」がわりと悲劇!って思ってました。
それが更新されたか?っていえば、そうでもないですね。

確かに、ハムレットはじめ、主たる登場人物かなり亡くなります。救われるものがいなく、誰もいなくなったレベルになります。

ただ、誰も何も悪いことしていないのに・・・ってのはないですから。
まあ、それぞれ悪い事をしてますね。

王は確信犯的なところありますね。
ハムレットの母親も・・・・。
これはどうなんでしょうね。微妙なところ。
愛人関係にはあったようですが、ハムレットへの愛は本物っぽいです。

何も悪いことしていないのは、ハムレットの恋人くらいですかね。
彼女にしてみれば、意味不明にハムレットに振られて、罵詈雑言を浴びておかしくなっちゃうんですから。

あと、彼女の兄も悲劇です。
何も悪くない妹を死に追いやったハムレットを恨みます。
真っ当ですよね。

で、その結果兄も死んじゃうわけですから・・・。

この兄妹は悲劇です。あ、その兄妹の父親もそうですね。
いきなりハムレットに殺されちゃうわけですから。

それ以外だと、ハムレットすらね。
不可抗力とはいえ、恋人の父親を殺しちゃうわけですから。

それに、ハムレットは王に復讐することに成功しましたからね。
目的達成。これは人生成功と言えば成功ですよね。

③避けられたんじゃ?
ハムレット。正直、復讐諦めてもいいんじゃ?って思いましたね。
今の価値観だからしょうがないのかもしれませんが。

復讐や、家族の名誉っていうんですかね。プライド。
それよりも、今は自身の幸福を追い求めるのがデフォルトですからね。

ハムレットが、復讐にとらわれず、王位とか民とか配下の事を忘れてね。
恋人の事を考えていれば・・・。
自分の人生を生きて、幸せな道があったかもしれません。
とはいえね。やはり己の立場って脱出するのは難しそうです。特にこの時代は。

しかも、王子だし。
行動の自由ってないんですよね。
悲劇っていうのはその辺りにも表れているかもしれませんね。脱出したくてもできない。

己の立場が、もっと平和で実用的な解決を不可能にしてますよね。

平和的で実用的な解決は、ハムレットが復讐を我慢して、王に付き添い、補佐する。
なんですが、それ自体がもう気が狂いそうで無理なんですよね。
叔父が王だけならともかく、母が叔父のもとに行ってるってのが、世間体も含め、やっぱ無理でしょうしね。
苦しいですよ。

ふと思いますが、母親の浮気ってやっぱりキツイようですね。
フロイトなんかは、その理由は男は母に性欲を抱くもんだからだーって。
トンデモな意見をのたまいそうですが、
最近思ったのは、母親ってなんか実家感があるのかなと。
それが他人にウロチョロされるのは、やっぱストレスなんじゃないですかね。

あとは立場。
自由なようで不自由。

貴族や王族だけでなく、会社や学校で、いつの時代のどんな人も、多少はみんなそう思うものでして。
しがらみがあるもんですよね。
社会的動物だから、どっかに属してたりするもんですから。
大体みんな、不自由感じてるもんです。

そこを突いてるあたりが、シェイクスピアの人気の理由かもしれません。

〜〜まとめ、雑記〜〜

ざっくりあらすじ。
ハムレット、主人公。
ハムレットの父親、かつての王様。死去。
実は叔父に毒殺される。

叔父。ハムレットの父親を毒殺し、王様になる。
ついでにハムレットの母親もゲット。
元々愛人関係?

ハムレット、父の死から2ヶ月しか経ってないのに。
母親が別の男に嫁ぐことに不信感。
実は元から愛人関係だったのに気づいてた?

ハムレット、配下たちと共に父の亡霊に遭遇。
亡霊から、毒殺された事を明かされる。
ハムレット。復讐を誓う。
気が触れたふりをしながら、恋人との愛も諦め、復讐の機会を伺います。
とはいえ、そんな自分が嫌だなと。
名言、生まれる。
To be, or not to be: that is the question
「生きるか死ぬか、それが問題だ」
復讐するもキツいし、かといって、何もしないのもキツいし、死ぬのはなんか違う。
もーいや!!おれ、かわいそう!!

とはいえ、亡霊の言葉を鵜呑みにするのもなんか違う。
そこで、劇団を利用して、マジで暗殺したのかを確かめる
結果、王様、思いっきり動揺。
ハムレット確信。

その後色々あり、誤ってハムレットの恋人の父親を刺殺。
それでも気が触れたフリをしてやり過ごします。
王も暗殺がバレたかも?って事で、ハムレットをイギリスに飛ばします。

ハムレット、
ひとまずイギリスへ。
その間、ハムレットの恋人、傷心のあまり、こちらは本気で気が触れてしまいます。
恋人の兄も帰郷してきて、その様子を見てドン引き。
原因はハムレットなんや!と王に吹き込まれ、兄はキレます。

恋人、死んでしまいます。
ハムレット、色々あってイギリスにはいけず、戻ってきます。
偶然、恋人の葬式に出くわします。

あわてるハムレット、怒り狂う恋人の兄。
恋人の兄を焚き付ける王様。これを利用し、確実にハムレットをやろうとします。
そんなわけで、ハムレットと恋人の兄は決闘します。
王は抜かりなく準備します。
恋人の兄の剣には即効性の毒を。
念入りに、王が差し出す水にも毒を。

当日。
色々と事が重なり、ハムレットと恋人の兄は、どちらも毒の剣の餌食になります。
ハムレットの母親も、王の差し出す水を飲んでしまい、亡くなります。
王は全ての悪事を明るみにされ、最後の力を振り絞ったハムレットに斬られて絶命します。

誰もいなくなった!ってやつですね。
ハムレットの友人たちがその後、色々引き取りそうではあります。
そんなお話。
太字だけおさえてりゃ、大体語れるのでは?
って感じです。

では、また。

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