台湾の選挙政策とデザイン
2016年1月16日台湾の選挙でした。
毎年クリスマスが終わって年末になると
日本ほどお正月ムードのない台湾では代わりに選挙ムードが充満します。
朝市では立候補者の買い物客への票集めのアピール。
街中では選挙看板が立ち始め、選挙カーが街を走ります。
こっちで台湾の選挙を目にするのはこれが3度目なんですが、
今回は特にちょっと興味深いと思ったことや驚いたこととががありました。
興味深かったのは蔡英文という前回の大統領選で馬英九と票争いをした
女性政治家がいるのですが、
今回の彼女の選挙ポスターやらをデザインしたのが
台湾で知名度が高く、若者に人気のアーロン・ニエだったこと。
今期の大統領選で主に票を争っていた上位3人のほか2名
朱立倫と宋楚瑜の選挙サイトと比べても
デザインの差は票の差と同様に全く明らかで、
蔡英文の選挙政策デザインはVI / UI共に優れてました。
そう。蔡英文がアーロン・ニエにVIを依頼したのは
ただ単に見た目のいいポスターを作る。という以外にも
選挙戦略的に見ても優れていたと思う。
● アーロン・ニエを起用することにより選挙にあまり関心のない若者の注目を集められる。
(でもひまわり学生運動以来政治に関心の薄い若者は少ないように思う。)
● アーロンが同性愛者で有名のため、同性愛者からの票集めができる
ちなみに蔡英文と他2人の候補者の選挙サイト比較は以下の通り
蔡英文|民進党 スローガン|LIGHT UP TAIWAN
http://iing.tw/
朱立倫|国民党 スローガン|ONE TAIWAN
http://onetaiwan.tumblr.com/
宋楚瑜|親民党 スローガン|改變從自己開始 自分から変わろうhttp://www.soong.tw/
この3人目の候補者は子供を使ってテーマ曲とPVまで作ってました!
興味のある方は宋楚瑜のサイトかYoutubeからどうぞ。
https://www.youtube.com/watch?v=cqxFbBdFCXY
朱立倫のデザインは若干蔡英文と被る感じがしますが、
どうやら11月頃に決まったようで、蔡英文のアーロンデザインが
夏ぐらいに発表されていたことを思うとパクリなんだなと。
蔡英文のアーロン起用による今後の期待
蔡英文は今回のことでデザインの力をご理解いただけたと思うので、
今後の台湾でのデザイナーの立場(給料面)が向上してくれればいいな。
と個人的に期待を寄せるばかりです。
まぁ、そうは言っても台湾政府自体は
結構日本よりデザインに力を入れてるんですよね。
問題は今回の選挙を通して台湾の社長さんやらデザイン発注サイドが
デザインって大事だな。それなりの対価を払う必要があるんだな。
って理解してくれることですね。
その他台湾の選挙で驚いたこと
これは今回に限ったことじゃないんでしょうが、
たまたま私が今年初めて目にして驚いたことが幾つか。
● 公道の道の一部を封鎖して市民にご馳走を振る舞う
● 白バイ数十台が立候補者の旗を掲げて選挙カーを先導
そのために交通整備人が横断歩道に立つ
(これはもう暴走族さながらで目を疑いました)
● バスに設置されたBeeTVでの選挙CM
(これはアリか?)
● お店の開店の際とかに太鼓叩いたり、獅子舞やったりする人たちも
太鼓たたきながら選挙カーについて回る。
(祭り=政ってことでしょうか)
● ラッパーのPVにも蔡英文が!かなり票集めのターゲット層絞ってます!
このアーティストが蔡英文支持だったんですね。
日本だと三宅洋平を他ラッパーが応援みたいな。
でもそれだと経験面でかなり不安もある気がするんで、
逆にこの台湾の普段絡まなそうな
世代・人種を超えた感じがすごいいいと思う!
蔡英文が出てるPV
大支【有ㄧ天】feat.小英
https://www.youtube.com/watch?v=I9x5EplwO-U
このラッパーは同年代だし、
歌ってる内容も良すぎて惚れましたけどね。
こういうラッパー好きです。
ってなわけで、今後の蔡英文の政治と台湾のデザイン環境により期待です。
よくなるといいなー。
*2月11日に台湾の友達から3人目の候補者違うよ!って
ご指摘いただいたので修正しました!
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