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なぜ高学歴なのに就活で失敗するのか②【自己紹介】


前回の記事はこちら↓


マッチングアプリ・飽き性・コロナ

前回の記事のような生活をしていたので自然と留年しました。しっかり講義に出ていれば読書の良い糧にもなったろうに、全然講義と自分の読書を結びつけようとせず、ほぼほぼ大学はいかず昼夜逆転生活を送っていました。もったいない限りです。ですが友人も一緒に留年したので、当時は「ラッキー♪」と思っていました。思考がバグっているので「俺は選ばれし存在だからなんの問題もない」くらいは思っていたかもしれません。お母さんお父さんごめんなさい。

さて、寮生活も長くなってくると、新しい刺激が欲しくなってきました。元来集中力に乏しく飽き性な私にとって、好きなタイミングで中断できたり違うテーマの情報に切り替えることができたりする読書は性に合っていました。しかし次第に、「書物を開いて文字情報を処理する」動作自体に飽きを感じていました、何様なのでしょうか。
そんな中、軽い気持ちでインストールしたのがマッチングアプリでした。
当時はマッチングアプリが流行りはじめの時期で、いろんなサービスが「初月無料」的な集客キャンペーンを行っていたと記憶しています。前後でコロナも相まって、寂しがりなキッズがこぞってマチアプに参入していました。
マッチングアプリも、飽き性な私に向いている娯楽でした。読書とオナニーで観念の世界(笑)に閉じこもった私にとって、外に出る理由を作ってくれました。

顔はカバ、体格は貧相、ひねくれている大二病。特段モテる要素がない私ですが、プロフィールに漠然と現実を敵視した三流以下の呪詛を書き散らしていると、ライクしてくれるモノ好きな方も少数ながらいることに気づきました。大学入学時と比べるとだいぶ暗めな性格になりましたが、正直でいると良いこともあります。
あまり長くチャット等で話すと気持ち悪さが露呈してブロックされてしまうので、さっさとお会いし、最近読んだ本の話を適当にして、あとの時間はケースバイケースでした。こう文字にするとさも遊んでいたかの印象を与えますが、実際はマッチ率もリピート率も結構低かったです。女性からしてみれば、水槽の中の臭いカバに触れてみるのは一回で十分なのです。それでも運良く少数のリピーターを獲得できると嬉しいものでして、細々とスワイプし続ける生活を半年弱ほど続けていました。

こうして、現実を否定するため本を読み、女性に語って「へぇ〜…」と言われご満悦、というサイクルが完成しました。私だけではなく、周囲の友人もだいたい似たように各々の小さい承認欲求を満たしつつ、現実から目を逸らし続けていました。現実逃避がどんどん加速していきます。

一応断っておきますが、「就活するのダサくね?」などと安い逆張りをしていたわけではありません。ただ当時は卒業後のことなど本当に微塵も考えたくなかったため、無意識レベルで認知を歪ませ、「就活」という単語を発することすら避けていました。

アルバイトは20回ほど飛んだ

就活を忌避していた明確な理由の一つがアルバイトでの経験です。
私の実家はごく平均的な地方の家庭なので、大学入学したての頃からバイトと奨学金で食いつないでいました。何をやっていたかというと、バーテン、飲食店ホール、工場、コンビニ、大手塾、その他数多の日雇い……そう、私は飛び魔でした。マジで少なく見積もっても20回は飛んでいます。2ヶ月に一回飛ぶとするともっと飛んでいます。
なんで飛ぶのか理解できないかもしれませんが、当時はとにかく肉体的苦痛がそのまま精神を蝕むような感覚があったのです。

立ちっぱなしの状況がとにかく苦痛→「生活資金を稼ぐとはこんなに辛いものか」と考え込み萎える→仕事が滞り怒られる→より萎える

という感じです。甘えすぎですね。

そんな穏やかではない心境なので、いつも数ヶ月すると出勤が突然億劫になってしまい、バックレてしまうのです。
ご想像の通り、仕事自体ができない方だったと思います。特に飲食ホール関係は反射的に体を動かす必要があるため、動作性IQが低い私とかなり相性が悪かったです。
結局続いたのは在宅の採点バイトや座れる編集補佐などの、PCに向き合う仕事だけでした。

今考えると本当に申し訳ないことをしたなと思っています。当時は本当に労働が苦痛としか思えず、その延長線上で就活も遠ざけていました。

子供部屋おじさんにはなりたくないため、しぶしぶ就活開始

そんな生活をしていたら、気付いたらn回目の3年の冬になっていました。さすがの僕らも、我々はただの無産階級でしかなく、この生活を永久に享受するなどできないというクソ当たり前の現実に気づいてきました。Instagramを開くと、我々以外の同級生は普通に就職・結婚と人生のステージを着実に進めています。Twitterを開くと子供部屋おじさんやいい年こいて自我のおっきいカルチャーおじさんが揶揄されています。これまでは自虐的に「俺達も将来こうなるかもな〜」と笑っていましたが、いい加減笑えなくなってきました。「就活どうする?」「あ〜〜……」という会話を留年仲間を何度も繰り返すことで、嫌々ながらも就活ムードが高まっていきました。真面目でかわいいですね。

実は、最後の3年の夏に運良く某ゲーム会社のサマーインターンに友人の勧めで参加していました。オンラインでのワークショップは案外楽しかったです。そのままぬるっと早期選考に呼ばれたのですが、面接でゲームに対する熱意など微塵もないことがバレてしまい、普通に落ちました。3年の1月時点での就活実績はこのサマーのみです。しかしまだまだ、学歴を理由に「どこかしら有名どころは入れるだろう」と過信していました。
そんなわけで普通の出遅れ就活生ムーブをやっていくのですが、延長した大学生活のほとんどを自我の肥大化に費やした私は、就活のやり方も、何を目指せばいいのかもわかりませんでした。(続く)

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