【戦国武将討死列伝(自害・刑死アリ)】⑯足利義輝

列伝其の十六『足利義輝<アシカガヨシテル>』

(1565年)松永久秀らの刺客が向かっているのは既に知っていた。我とて足利将軍家にして数々の兵法家らに剣を学びその腕を評価されているのだ。生きおおせるとは到底思えぬが、剣豪として後世に名が刻まれるよな武者ぶりを見せて死のうではないか。
 数多の宝剣を突き立てて並べた我は向かい来る敵を切り捨てては次の剣へ、使い物になら無くなればまた次の剣と散々斬りおおせたが、武運拙く力尽きた。
「天は何故我を足利将軍家のもとに生まれさせたのだ!」

『足利義輝』討死