27歳1人旅日記〜九州編①〜
旅のはじまりは船から。
午後6時。JR住吉駅に到着。
この駅からシャトルバスがあるとのことで初めて来た地。
そんなに人がいないだろうと何故かたかを括っていたら、発車10分前にはすでに長蛇の列ができていた。
こんなにフェリーに乗る人がいるのかと驚きつつも、乗船仲間がこれだけいるなら心強い(ような気分になれる)。
普段私が使っていないだけでフェリーを利用する人は沢山いるんだなぁと思った。つくづく自分の世界の狭さに参ったなこれはなんてしょんぼりしながら、しかしこれが未知の世界への遭遇というもので、テンションは上がるばかりである。
JR住吉駅からはバス代230円。(現金のみだったので、何人か慌てている人もいた)。バスに揺られて港に到着。着くなりすぐに視界いっぱいに船が広がる。大きい。(ふとタイタニックが頭をよぎったが、ここは令和の日本なので忘れることにする)
待合室で少し待って、アナウンスとともにいよいよ乗船。
船に入ってすぐのロビーが綺麗だった。船の中だとは思えなかったし、素直に感動した。
晩御飯を食べていなくてお腹が空きすぎたので、荷物を置いてすぐにレストランへ。
レストランでは大学の食堂のように選択していく感じで、どこか懐かしい気持ちになる。船といえばカレーだろうという安直な考えて焼きカレーを注文した。
腹ごしらえも終わったので、いざ船内を散策。地図が苦手なので、船内図は見ずとりあえず歩きまわるという力技でいく。展望デッキには残念ながら出られなかったが、展望ルームなるものがあったのでそこで出港を待つことにした。
中は暗く、正面の窓から進行方向の景色が一望できる。
そうして待っていると船が出港した。
実は船酔いをかなり心配していたのだが、酔い止めの薬を飲んでいたからか、全然大丈夫だった。
だが、やっぱり揺れている感じはするもので、座ってぼーっと夜景を見ていると自分が揺れているのを実感した。熱が出た時みたいにフラフラして、ちょっと面白かった。
朝一番風呂にはいりたかったので、散策が終わり次第早々に床に着いた。私が予約したのは相部屋で、他にも7人くらいがいる部屋だった。
2段式ベットで、私の下の人もすでに寝ていたので、ありがたいとこちらも寝床に着く。
が、違うベットの会話が盛り上がり始めた。
デヴィ夫人のような丁寧な口調で話すおばあさんと、知識豊富でツッコミもできる助手のようなお姉さん。声だけしか分からないので想像でしかないのだが、話を聞く限りおそらく初対面のようだった。だけでもえらく話が盛り上がっている。
寝る時にうるさくされるのはちょっと嫌な気持ちになるものだが、2人の声がまるでラジオのようで、私はこれがとても楽しかった。相部屋の魅力だななんて思ったりもする。
2人の会話をBGMにしながら、気付けば私は眠りについていた。