大好きな作品に出会うきっかけがいつどこで待ち受けているかなんて誰にもわからない。
春と夏の境目を覆い隠すように、つつじは乱れ咲いていた。
つつじが咲いているのを見ると、5月真っ盛りなのだなと思うけれど、
実際は4月の初めにはもうちらほらと咲き始めていて、20日ごろには満開になっている。
私の中に、つつじイコール5月というのが定着したのは、間違いなく子供の頃に読んだ『サマータイム(佐藤多佳子著)』のおかげである。
佐藤多佳子先生の著作は、どれもこれも10代になったばかりの私にはまさに’鮮烈’だった。
先生の著作に触れたのは、サマータイムが初めてで、出会ってか