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痴漢にあって三日目の私。選挙運動、投票の理由

読むと嫌なことを思い出させてしまうかもしれないので、不安な人は安心できる環境で読んでね。日記です。書いてすぐにアップできなかったので。

おととい痴漢にあった。自分では痴漢と言ったら大袈裟だと思われるかもしれないと思ったけど、痴漢だった。おとといは大学に行く途中で、どうにか大学ついたけど授業に行けなくて友達とかパートナーに電話してしのいで少しだけ参加して帰った。昨日も大学に行くのしんどいなって思っていたけど、リレー形式の授業のテーマが――先生の「有害な男性性」で、これは参加した方がいいよなあと思って電車に乗った。

やっぱり途中でしんどさが増したけど耐えた。授業自体はとても興味深くて内容も詰まっていたけど、私にはとても身近に感じられることがそうではない人も多かったらしい。セックスをさせてくれない女性(特定の女性、ではなく女性たちみんな)を憎んで無差別に殺したアメリカの男子学生の反抗声明には教室内で笑い声が何度も上がった。日本でも似たようなことが電車で起きている。ついこの間も八王子で反抗を匂わせる声明が出たそうで、女性は気を付けてと言われた。私には笑えない授業だった。性被害を受けることの多い女性が男性を怖がったり自衛すれば逆差別と言われたり加害者扱いするなと言われる日本にも、インセルの論理は通じているのではないかと授業は締めた。私の隣の席の男子学生は何度も笑ったし授業後私の斜め後ろにいた男子(に見えた)学生は「極端すぎるだろ(笑)」と言っていた。授業は極端でなければいいのか?と問いかけたばかり。

私は一年前に盗撮にあったし、私の友達で性被害にあったことのある人は何人もいる。別にこれは東京だからという話ではなくて、地元で経験した人もいる。それに地元では私をなんだと思っていたらそんな性的なことを言えるのか?というおじさん(と、おじいさん)になんども出くわした。下ネタらしいけど全く面白くはなく、ただ怖かった。

授業後ただもうつらくて、これまで勝手に女にされてきて、ましなことが何もないと感じて、1年前のことも前の日のことも、これまで経験したたくさんの嫌だったことも全部全部やるせなさを感じて、何かしないとやってられないと思った。これまで22年間で起きたやるせなさで爆発しそうだった。

もともと選挙ボランティアの存在を知っていたのと、Twitterで蓮舫さんが呼び掛けていたからどこかの党でやろうと思い立った。どの党にしようかと考えて、今日は唯一女性が党首の社民党にしようと電話をかけた。

新宿で行われる、社民党福島みずほさんを応援する市民スピーチでビラ配りを手伝うボランティア。市民スピーチは、私と同い年くらいの大学生や院生も行っていた。そのうちの一人の、――ちゃんに私がここに来た理由を話して、泣いて、抱き締めてくれて、少しだけ癒えた。人がたくさん行き交う新宿駅で堂々とスピーチする姿は本当にかっこよくて、スピーチの内容にまた泣けて、一昨日のこともそれまで経験した辛いことも、政治に対して怒っていることも、色んな気持ちがまた押し寄せてきた。思い出してぼろぼろ泣いて、本当に良いことがないと思った。半分以上は政治のせい。ピルだってもっと安いはずだし、給料の格差もなくなるはずだし、そもそもの給料だってもっと高くなったかもしれない。中絶を自分の意思だけでできたはずだし、子供を持たなくても責められなくてすむ。自分の将来の家族や友達や大事な人たちが、性暴力によって傷つけられることを恐れずに済む。

――ちゃんだけじゃなくて、スピーチを聞きにきた他の学生や、ご高齢の方も、何人も私と辛さを分かち合ってくれた。本当に行って良かったし、たぶんこの党のボランティアにしたから良かったんだと思う。他の党でももちろん良いと思うところはあるけど。私とは40歳くらい離れていそうな人から、「つらいと思うけど、黙ってしまったら心が壊れちゃうよ。ちゃんと泣かなきゃ」と言われた。泣くのをこらえていたときに言ってくれた。ほかにも、私の話を涙目になりながらきいてくれた人もいて、一緒の現実を見てくれているとわかって本当にほっとした。一緒にいた男性用のスーツを着ていた人もしっかり話を聞いてくれていることが伝わって、こんな人もいるんだと少し安心した。一昨日私を痴漢した人も立派な男性用のスーツを着ていたから。私には安心できる男性と恐れないといけない男性を見分けられない。
これまでだってたくさんあった。小学5年生の私に紐パンを履いているか聞いてきたおじさんのことは今でも思い出す。当時は紐パンなんて知らなかったけど、なんだかものすごく気持ち悪い記憶だけ残っていて、あとから結びついた。パートナーとお酒屋さんに行ったら、お店の人はパートナー(パートナーは男性)にばかりお酒の紹介をした。私だってお酒は大好きなのに。テンプレート過ぎて未だにそんなこと言う人いる?って驚きだけど、飲み会で、「女の子がいると華やかになっていいね」って言う大学の先輩。保健の教科書の、本当に数少ない性教育のページを笑いながら音読させた先生。「女の子のお腹は大事(なぜなら子どもを産むため!!)」っていうメッセージ。流した経験が積もりに積もって私をしっかり折った最後のダメ押しが痴漢だった。
大学で発表をする前だった。これが最終面接の前でなくて本当に良かったと思った。がんばろう、という気持ちを折るのは本当に簡単なことだ。黙って、触るだけ。触られた側には、恐怖、悔しさ、気持ち悪さ、それから感触もずっと残る。あれからこれまで起きたこと全部含めて今の私の負荷になっている。気持ちは沈んでいて、一人でいないことで紛らわしている。本当に書いていて長いと思う。けど、黙ったら壊れそう。

日常で感じる嫌なこと、たいてい政治でどうにかできる。住民票と現住所違うから投票めんどくさいとかわかるけど、若者のことなめ腐ってる政治家にちゃんと政治させるにはやっぱり投票なんだろうなと思う。正直投票で成功体験ないけど、少しでもマシになりますように、これ以上悪くなりませんようにと思って投票する。大事な自分と大事な人のために、どこに入れたらまずいか、はわかる。推せる党がない人多いと思うけど、まずい党以外に入れるのも入れないよりずっといい。もう折られたくないから投票する。

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