【ヒルトンホテルでおひとりさま①】大浄化旅クライマックス!空港のエネルギーを浴びたくて。
1泊だけだったが、ブリストルでいい時間を過ごせた。
昨夜、「明日はどんな日にしようかな」と考えた時、頭に浮かんだのは”バスタブ”だった。
グラストンベリーでもブリストルでも素晴らしいひとり時間を満喫させてもらったおかげで、自分自身の精神がクリアに浄化できているたしかな実感があった。
出発した日の心の重さから比べると、まるで別人になったような感覚というくらい軽くなっていた。
私は連日たくさん歩いたこの身体をうんとリラックスさせ、お湯をはったバスタブにブクブクと浸かりたくなったのである。
精神と身体は決して切り離せない。
両方が満たされてはじめて健康なのだ。
ロンドンの家には残念ながらバスタブがなくシャワーのみ。
水圧にも清潔さにも満足しているし海外生活も長くなってきたので慣れてはいるが、日本で生まれ育った私としてはやはりバスタブが恋しい。
よって、二人で旅行に行く時のホテル選びは、なによりも「バスタブがあるかどうか」を最優先事項にしている。
久々に浸かる時のあの喜びは、何にも代えがたい。
この旅でせっかく精神がこんなにもクリアになっているので、この際身体も全部まるごと大浄化しようと思った。
行き先はもはやどこでもいい。
バスタブだけは外せない。
ちょうどこの日の夜にレディースデーになり、生理痛のきつい私は今までのように長距離を歩くことを避けのんびりと過ごしたかったのだ。
「空港で、旅する人たちのエネルギーを浴びたい。」
これがピン!ときたので、ヒースロー空港近くでホテルを探すことにした。
空港のエネルギーが大好きな私。
世界中から人が集まる場所であり、これから飛び立つのをワクワクしている人や、誰かとの別れを悲しんでいる人など、空港は人々の「喜怒哀楽」が集結する場所とも言える。
『人生、ずっと感動し続ける』がいつしかスローガンになっている私が、この時感じたかったエネルギーは空港だった。
ちなみに選んだのは、ヒルトンホテル。
もともとホテルの朝食ブッフェが好きなのだが、ヒルトンのブッフェは種類が豊富で美味しい(イギリスでは初めてなのでわからないが)。
お目当てのバスタブもあり、清潔だ。
更にこの時タイミングが最高によく(11月後半だった為)、ブラックフライデーセールで超ディスカウントされていたのだった!
ヒルトンなのでそれなりのお値段だが、ロンドンセントラルのホテルの相場と比較すると3倍くらいは安い。
コスパも最高だが、私の望みが叶えられる条件がぴったり揃っていたのでここに決めた。
ブリストルからバスでヒースロー空港へ。
西側からバスで来たのは初めてだったが、トランクに重い荷物を積んでもらえて乗り心地の良いバスで空港へ向かうのは最適だ。
ヒースロー空港から発着フライトチケットを持たずにスーツケースを引いている人は、ここにいる何万人の中で数少ないだろう。
足早にスーツケースを引いて空港へ入っていく人たちに紛れてしまえば、私も今からどこかへ行くような気分にもなる。
普段のフライト時には絶対にしない、T2⇔T3のターミナル間を徒歩で移動してみた。
ショップのラインナップは多少違うものの、セキュリティの手前はカフェとドラッグストアくらいしかない。
おそらく今まですべてのターミナルを利用したが、T4が一番充実している気がする。
日本の空港と違って、喫煙所は外にありベンチまで設置されていて快適だ。
ここのは更に高い屋根があるので、雨でも快適そのものだった。
チェックイン時間までのんびりしようとタバコを吸っていると、遠くの方から年配のご夫婦が手を上げながら歩いてきた。
私にコインを差し出しながら、
「タバコを売ってくれない?」
と言ってきた。
これは何も珍しいことではなく、ロンドンにいる間に数回遭遇している。
そして私はいつも断る(現金を使う機会がない為)のだが、なぜかこのご夫婦には「どうぞどうぞ」と、£2のコインを受け取り手作りのタバコを7~8本差し上げた。
彼らはタイからの旅行者で、これからタイへ帰るそう。
タバコを吸いたいけど、これから帰るのにイギリスのバカ高いタバコを買うのもな…と思って話しかけてきたそうだ。
至極真っ当な選択だと思った(一箱4000円ほどする)。
「イギリスは素敵なところだけど、私たちには寒すぎてタイがずっと恋しかったわ!笑」
と、チャーミングな奥さんが笑った。
私が日本人だと伝えると、
「日本もずっと長い間行きたい憧れの場所よ!
友だちが行って、素晴らしい国だって言ってたわ!
春の桜を見に、来年行こうと考えてるの!」
もはや定型文になってるんじゃないかと思うくらい、今まで世界の至る所で何度も耳にした言葉だ。
決まって皆こう言ってくれるが、日本人である私に言ってくれるみんなの目はキラキラしている。
日本の桜は、私も恋しくなるほど素晴らしい。
タイはバンコクにしか行ったことがないが、現地で毎日大好物のトムヤムクンを食べていたと伝えた。
話している最中、食べたくて仕方がなかった。
明るいご夫婦のフライトの安全を祈り見送った。
空港内のミニマーケットに寄り、ペットボトルの水を4リットルほど買い込んだ。
スタッフがおいおいマジかよ!という目で
「フライト前?」
と尋ねてきたほど(それだけの量、機内に持ち込めないわよと教えてくれようとしたのだと思う)。
「いいえ、フライトはないから大丈夫!」
と告げ、軽食とちょっとしたお菓子も購入しスーツケースに詰めた。
スーツケースって本当に便利だ。
私が予約したヒルトンホテルは、地下鉄で1駅の場所にある。
周辺は何もないので、大きなヒルトンが存在感を放っていた。
クリスマス前で、ゴージャスなクリスマスツリーがキラキラしていた。
フロントのお姉さんはしごできムード漂う人で、隣に研修生がいて指導をしながらチェックイン手続きをしてくれた。
「時間がかかり申し訳ありません、研修生が同席させていただいています」
と告げるあたり、さすがヒルトンだなと思った。
しごできお姉さんが席を外している間、手持ち無沙汰になり気まずそうな研修生に
「入ってどのくらいです?」と声をかけた。
「実は今日はじめてフロントに立っています。
覚えることがたくさんあって大変です!」
と、それまでの緊張感が切れたように笑顔で語ってくれた。
今プロの人たちだって、全員が通る道。
自身が百貨店インフォメーションで研修生だった時のことを思い出していた。
「きっとあなたならすぐに慣れるわ、笑顔がとっても素敵!頑張ってね!」
と告げて、カードキーを受け取った。
私が研修生だった頃に何名ものお客様に言われて励みになったセリフを、私が誰かにそっくりそのまま言う日が来たんだなぁ。と、気付けば私も歳を重ねてきたなと実感した瞬間だった。
クイーンルームと呼ばれる、クイーンサイズベッドとリクライニングチェアとテーブルに惹かれたこのお部屋。
バスタブーーーーーーーーー!!!!!!
この時16時頃で、明日のチェックアウト時間の正午までここに缶詰になれる喜びを噛み締めた。
ホテルがどんなに居心地が良くても、たとえば観光地に行くと夜寝るだけになってしまったりして残念だなと思うことが多い。
ひとり旅でこんな風にのんびり過ごしたい時は、少しグレードのいいホテルを選んでほとんどどこにも行かず、ほぼ室内で過ごすのも大好きだ。
観光重視の時はドミトリーを選ぶこともあるし、時と場合と気分で宿を使い分けるのが好きなタイプだ。
とりあえず、大量に買った4リットルの水を冷蔵庫に詰めるところから始めた。