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不器用すぎるパートナープレゼンツのバレンタインデー。急成長を見守ったドラマな1日。


海外のバレンタイン文化は、日本と異なる。


主に男性から女性にお花やギフトをプレゼントする日だ。

ちなみに、ホワイトデーのお返し文化は存在しない。



よって、ギリシャ人のパートナーと一緒になってからは、バレンタインは一方的に私がプレゼントをもらう日。


当たり前だが、女性としてはこちらの文化の方が気分が良い。笑



とはいえ、彼はあまり記念日やイベント事を盛大に祝うタイプではないのでまったく期待していなかった。


今年のバレンタインの週は在宅ワークだったのもあり、至極普通のピースフルな日常だった。


彼はバレンタインギフトをいくつかオーダーしてくれていたようで、数日前から何度もインターホンが鳴りパッケージを受け取っていた。



バレンタイン当日になっても特に彼のテンションは変わらず、例えばウキウキとかディナーに誘ってくるわけでもなかったので、私も普通の1日を過ごしていたのだった。



彼の仕事が終わる1時間くらい前に、私は突然髪を染め始めた。


翌日友人が遊びに来る予定だったので、それまでに伸びてきた黒髪を染め直したかったのだ(現在金髪なのでブリーチ+カラーで手間がかかると実感)。


セルフにしては上出来。



ケープ兼ヘッドラップのゴミ袋を頭のてっぺんで縛り、仕事を終えた彼と対面するとなんとも言えない(なにか言いたそうな)表情が苦笑いに変わった。


2度のカラーを終え、夕食を作り一緒に食べた。


彼の大好物、私のカルボナーラ!



洗い物を済ませてリビングで一息つこうとしたタイミングで彼は

「プレゼント、開けたい?」

と聞いてきた。



「ありがとう!でも、ちょっとめまいがするから5分だけ待ってほしい」

と言って、彼にハグしながらしばらくじっとしていた。



カラー、シャンプー、ドライヤーを済ませた後すぐに料理を作り始めたので、

ちょっとしんどかったのだ。

(彼は料理をしないし私の役割なので、私が作らないと食べられない)


もっと早くカラーしていればと思ったが、過去は変えられないし仕方あるまい。




5分経った頃私はソファに座り直して「もう大丈夫、見せて!」と言うと、彼は無表情で立ち上がり箱をテーブルに置いた。



開いた段ボールを!!



「ラッピングもできてなくてそのままだけど」


と言った彼は、箱を置いた後座り直した。



プレゼントと言いながら段ボールのまま…?も信じられないが、もっと意味がわからないのは

手渡しでもないことだ。




私がプレゼントする時は、さすがにプレゼントの袋に入れたり、当たり前だが「相手が喜ぶように」と考える。


が、

この人は私ではない。


ま、今まで一緒にいて見た目にこだわるタイプではないことくらいわかっているし、在宅で出かける機会もなかったから仕方ないか、と割り切ろうとした。



しかし、

せめて手渡しでもらいたい。


いくつかバラバラに届いたのを知っているので、彼の手から取り出して見せてほしかったのだ。



「じゃあさ、この箱から一個ずつ取り出して見せてよ!」


そう言って段ボールを渡すと、彼はいつも通り無表情で自分で開けるように私を促した。



申し訳ないが、この時点で私のテンションはゼロどころかマイナスだった。




大切な人にすべき一連の流れではない。


せっかくプレゼントを準備してくれたのに、この行動で台無しだと思った。




でも、彼も同じことを思っているかもしれない。


バレンタインなのに私がヘアカラーなんぞをし始めた辺りから彼の様子が違ったもの。



普通にしていたら彼もロマンチックな渡し方とかしてくれたのかもしれない。



でも…

どちらにせよラッピングはなく段ボールだしな( ˘ω˘ )




色んな思いがぐるぐるしながら、私は段ボールを開けて1つずつリアクションした。



中身は、Victoria Secretの数点のランジェリーだった。


真っ赤で素敵なデザインのそれらを並べながら「こんな素敵なプレゼントなのに、この演出は更にもったいない」とひどく思った。



ずっと浮かない顔をしている彼にどうしたのかと聞くと、


「もっとロマンチックな雰囲気にしたかったけど、Natsumiはヘアカラーを始めるし普通の日で、なんか違うと思った。」




・・・それなら前日、いや、

今日の昼間からそんな雰囲気を醸し出しといてくれ!!!!!



なーーーーーんもそんな雰囲気にしてなかったのはそっちや!!!( ゚д゚)



ならなにか?



私がきゃっきゃとマックスで期待しておねだりした方がよかったんか!?


そうでもなく、

無言で期待だけしときゃよかったんか!!!?



みすてりーーーー( ゚д゚ )




この人は、ほんとうにいつもこうなのだ。


ぶっちゃけた話、一緒にいる時間が長くなってきて、”家族”という認識が強くなり、男性として素敵!と思えることが本当に少なくて私も困っているのだ。


それで更に、こんな言い方と態度をされちゃ私も黙っておけなくなる。



「あなたが何も言ってなかったし、バレンタインはささやかな感じなのかなと思ってた。


ごはんに行こうとかもなかったから、私はいつも通り夕食作って食べたでしょ?

中身は嬉しかったけど、プレゼントとして渡すのに段ボールのままもありえないし、勝手に開けて!みたいな態度もすっごい嫌だった。


せっかく素敵なものを選んでくれたのに、こんなの本当にもったいないよっ!」



と言うと、彼は


「喜ばせてあげられなくて本当にごめん。俺が悪かった。」


とそっと言い残し、暗い寝室へ行き寝始めたのだった。




その翌朝。


私の方が起きるのが遅く、リビングに行くと可愛いお花が生けられていた。



「えぇ〜!!!買ってきてくれたの!?」


と、超絶な感動を伝えた。



早朝に出かけ、このお花を選んでくれたのだという。




「このために出かけたんじゃないよ、他に買うものがあったからね。



と付け加える辺り

全然かわいくないのだが、


表情は明るく柔らかくなりすっかり復活していた。



「蕾がどんどん開いて、ピンクが増えたら可愛いかなと思ってこれにした」


と言っていた。



そして、珍しく漢字の練習をしていたのだった。



その後友人が遊びに来てみんなで楽しく過ごし帰った後、彼はこの紙袋を渡してくれた。


女王の日だってよ!



これも手渡しでなく、こっそりカーテンの前に置いたのに私にまったく気付かれず

やはり自らネタばらしする羽目になっていた。笑



今朝のお花も、私が気付くまで彼から言ってこなかった。



サプライズがあまりに下手すぎてどこから突っ込めばいいのかわからないレベルだが、この紙袋にはびっくりさせられた。




開けてみると、2通の手紙とピンク色の箱が入っていた。



ピンクの箱を開けると、これまたVictoria Secretの素敵なルームウェアだった。


今回のギフトは、すべてヴィクトリア・シークレット&レッドで揃えたかったみたいだ。



そして2通の手紙を読み、

私はボロ泣きした。



こちらの大きな方には日本語で


『いつもお世話になってありがとう。

もっと笑わせてあげられたらいいな。

愛をこめて。』

と書かれていた。





こちらの小さい方には、



『このデザインはジョークだからね!笑


僕たちは意見が食い違うことが多いのはわかってる。


でも、きっともっと寄り添っていける未来があると信じているし、一緒に幸せになろうね。


愛をこめて。』


的なことが英語で書かれていた。



以前、「手紙もらったら嬉しいよ〜」と私がふと呟いたことを思い出してくれたのだと思う。


その後、どうしようもない激しい喧嘩をした後に心のこもった手紙をくれた。



これらは、それ以来にくれた手紙だった。




今までたくさんの人に出会ってきた私だが、

彼ほど不器用な男は、いまだかつて見たことがない。



私が人間関係でいわゆる”オトクな性格”と呼ばれるとしたら、彼はその真逆で”損な性格”と呼ばれる人だ。


人一倍愛情深く情熱も思いやりもあるのに、表現が下手すぎて上手く伝わらない。


私でさえこの表現のプアさに悲しくなったりイライラするのに、友人となればもっとだろう。




前日、私に謝って眠りについた彼。


その翌日に『私を喜ばせよう』という想いを行動で表現してくれたことがすごくすごく嬉しかったし、この人のかわいいところの詰め合わせだった。



スネ夫の面では今までもこれからも絶対に苦労するが、愛されていることははっきり感じているし、こういうかわいいところがあることも知っている。


今までスマートな男性ともたくさん出会ってきたが、

こういう不器用なところがあるから信頼できるのかもしれないとも思っている。


だから、私も一緒にいるんだと思う。



好みかどうかは別次元の話として、彼の精一杯を受け止めたい。



不器用すぎるスネちゃま。


ドラマなバレンタインデーをありがとう!

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Natsumi🇬🇧
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