答えのない試行錯誤
11/22-23 慶應のオープンリサーチフォーラム、ORFに行ってきました。わたしは2日間で4つのセッション、「society5.0×SDGs時代の学びと教育」「あやしくて創造的なゆるい組織コミュニケーション」「第四次産業革命とSDGs」「クリエイティブ・ラーニングとは―考え方と実践事例」に参加してきました。それぞれのセッションを振り返ると、繋がるところや共通しているところがありました。
「society5.0×SDGs時代の学びと教育」
これからの社会をサバイブしていく人材として、トータリーアシンメトリーであることが必要という話がありました。枠に収まり、何でもこなせる人材ではなく、枠に収まらないアシンメトリーな人材。そして、人間はもともとトータリーアシンメトリーなのだという話がありました。放っておけばそのまま育つのに、今の学校教育では文武両道、なんでもこなせて規則に従える人になるよう育てられている。もともとあるアシンメトリーな部分を否定されない安全な場が必要なんだろうと感じました。
「あやしくて創造的なゆるい組織コミュニケーション」
ここでは、人は何かをつくろうとしたり学ぼうとするとき、一つテーマがあると、最短距離で答えを求めようとしてしまうが、答えのない状況で始めて、試行錯誤し、それを振り返った時にその過程の中に発見や学びがあるのだという話が最初にありました。そして自由に試行錯誤するには、うまくいかない前提の、安心で安全な場が必要。
「クリエイティブ・ラーニングとは―考え方と実践事例」
Learning by creation(つくることによって学ぶ)/learning through creation(つくることを通して学ぶ)
つくったものからではなく、それをつくる試行錯誤の過程の中で学ぶ。つくることをコントロールするのではなく、つくっているものやその過程による体験や学びこそ本質。クリエイティブ・ラーニングとしてのFWの話もありました。見たものそのままを記録する、駄写真。自分が見たいものではなく、見たものを記録する。先入観や見たいものという“答え”があると、それに向かって安易に合理化してしまう。
答えのない状況で、自分の創造力を働かせながら試行錯誤する。振り返ると、そこには発見や学びがある。答えがあると、安易な合理化につながる。確かに、ここに導きたいから~と適当な理由探しをしたりそれらしいストーリーを作っているときは個人的に全然楽しくありません。というか、最終的に難しくなると感じています。今回のカフェゼミ、フードロスというテーマがすでに決まっている状態で、最初は全然フードロスに興味ないままWSづくりや内容づくりに参加したのですごく難しかった。それは“フードロス”が自分から出てきたものではなかったこと、それから、最初はゴールに向けて最短距離を進もうとしていたことによるのだと思います。だんだん楽しくなったのは、ゴールに向けてそれらしいストーリーを作ろうとするのをあきらめて、フードロスという大きくてあまり実感のない問題について詳しく知り、自分に持って帰り、よくわからないままでも考えてみる、という一見遠回りに思える過程を1か月間続けたからだと思います。
カフェゼミがやっと終わったところですが、次は8大学合同ゼミ、ゼミレンジャーが迫っています。長岡ゼミは、失敗の許される安心で安全な場。ゼミレンジャーは、私たちが主体的に試行錯誤出来る場。最短距離を進もうとせず、だれにも無駄な忖度をすることなく、試行錯誤のなかで自由に学び、プレイフルにつくりたいです。