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ライブ感と一体感

2019/06/27 カフェゼミのサブゼミでABDをして、上田信行先生のプレイフル・シンキングを読みました。一度読んだことはあったけど、改めてABDで読み直した中で一番印象に残ったのが、体験を省察することで経験に落とし込み、学び(体験)を構造化することで他の場合に応用することができる。その最終形が体験と同時進行で省察する、即興。その例としてジャズが挙げられていたところです。私はジャズを少しだけかじっていたことがあります。ジャズプレイヤーの練習は、結構地味。地道です。まずはスケールの練習。そして有名だったり、自分が好きなジャズプレイヤーの音源を聴いて、そのプレイヤーが即興で生み出したフレーズをひたすら練習する。練習して体が覚えると、セッションのとき自然とそのフレーズが出てくるようになり、それに慣れてくると、その時の気分や他のメンバーの演奏、聴衆の盛り上がりによってアレンジできるようになる。まさに即興(体験と同時に省察を行う)的で、ジャズセッションはそういったメンバーみんなの即興が重なり合うことで毎回新しいものが生まれる無限の可能性があるから面白いのです。

そこからジャズを振り返って、気がついたことがもう一つあります。いいセッションには、自然な一体感がある。好き好き演奏しているはずなのに、きちんと一つにまとまっている。それぞれが他のメンバーの演奏や聴衆の盛り上がりを気にしながら演奏するからです。今回のカフェゼミのサブゼミの準備では、いい場ってなんだろう?とたくさん考えました。その中で難しいなと感じていたのが、自然な一体感の生み出し方です。リーダーや先生がいて、その人の指示通りに動けば一体感は生まれるだろうけど、それは主体的でないからおもしろくない。かといって、わざとらしくみんなで同じ方向を向いて一つのものを作ろうとするのも、なんだかきもちわるい。みんなが盛り上がっている中自分だけついていけなかったら?私は置いて行かれることがしばしばあるので、みんなで団結しよう!とか、みんなで盛り上げよう!みたいなのは少し苦手です。ジャズセッションに答えがあるような気がします。セッションメンバーそれぞれが好きなフレーズを吹いたり好きなアレンジをしたりするのは大前提で、好きなことをやりつつも、横目で周りを気にしている。それによって意図せず一つのまとまったセッションが出来上がる。そのくらいがちょうどいいんじゃないかな。

それぞれが自分の好きなこと、やりたいことに集中しつつ、お互いを気にしながら作業する。そうすると生まれる、自然な一体感。そこで状況によっては振る舞いを変える、ライブ感。ジャズセッションに場づくりやワークショップをよりよくするヒントを得られました。


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