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『なぜ地方女子は東大を目指さないのか』 保護者の方に読んで欲しい!
なぜ地方女子は東大を目指さないのか?
私自身は、考えたことのない問いでした。
このような課題があることを知らなかったからです。
首都圏以外に暮らす女子高生は偏差値の高い大学への進学にメリットを感じにくい傾向にある。
東大の学生団体がこの実態を調査して、考察をまとめた一冊。
気づきがいっぱいありましたので、noteにまとめておきます。
調査結果から見える結論
まず、この本のタイトルに答える形で結論から。
地方で暮らす女子高生が、なぜ東大(難関大学)を目指さないのか?
なぜなら、3つの傾向があるそうです。
①資格取得を重視する
②自己評価が男子高生や首都圏の高校生よりも低い
③浪人を避ける安全志向が強い
それぞれ、もう少し具体的に見ていきます。
①資格取得を重視する
ざっくり言うと「手に職」という傾向が、地方女子には強いと理解しました。それには結婚・出産のライフイベントが影響します。
優秀な女子は「とりあえず医学部」という、「医学部天下」の状況があることも分かりました。
医学部人気は、
・男子よりも女子
・女子の中でも首都圏よりも地方
に強い傾向があるそうです。
私たちは母親の集まるコミュニティを運営しているのですが、ライフイベントがキャリアに与える影響は大きいと感じています。
結婚・出産を通じて、時間的な制約などもあり、キャリアをセーブしたりすることがあります。問題なのは、セーブや退職したりすると、そのあとの復帰が簡単ではないこと。
どうしても不利益を被ることはあるのです。ライフイベントがキャリアに与える影響を最小限にするために、「手に職」という資格取得を重視する傾向につながる。
②自己評価が男子高生や首都圏の高校生よりも低い
「楽観的な男子学生、悲観的な女子高生」
という言葉が本にあったのが、印象的です。
ここにはジェンダーステレオタイプ、いわゆる固定観念が根強いとか。
「私には難関大学なんて無理」といった価値観です。
たとえば、志望校の判定が「合格可能性30%です」と言われたときに
「まだ目指せる範囲だ」と思うか
「自分には無理だ」と思うか
前者の傾向が強いのが男子学生、後者が女子学生だったとのこと。
では、なぜ地方女子は自己評価が低くなるのか?
理由として挙げられていたのが、3つありました。
a)「ロールモデルの不足」
b) メディアによる極端な「東大生」のステレオタイプ
c) 保護者など周りからの声がけ
です。
まず、a)「ロールモデルの不足」について。
身近な先輩や知り合いで東大に進学した人が多ければ多いほど、自己評価が上がる傾向があったそうです。
たしかに、私たちコミュニティでも「ロールモデル」の重要性は感じています。「隣の人ができている」と「自分もできる」と思えるようになります。
次に、b)メディアによる極端な「東大生」のステレオタイプ。
よくテレビ番組でも、「東大生のクイズ王」などを見かけます。メディア受けするような尖った「東大生」をフューチャーするので、「東大生は変人、博識ばかりだ」というイメージが付きがちです。
さいごに、c) 保護者などの周りからの声がけ。
これは保護者の立場からすると、ギクッとするところです。
志望校の判定が「合格可能性30%です」と聞いたときに、子どもにどんな声がけをするのか?
「無理なんじゃない?」ではなく
「どうやったらできそうか?」を一緒に考えることが大事ですよね。
③浪人を避ける安全志向が強い
3つ目の理由が、浪人を避ける安全志向が強いこと。
これも「言われてみたら、そうか」と気づくことができました。
地方女子の方が、浪人を避ける安全志向が強い。
つまり、「東大に行きたい!」と思っていたとしても、受からなかったら「浪人してまでも、東大を目指さなくてもいいか」となってしまう。
これは地方女子に限らず、首都圏女子にも共通するようです。
この理由も興味深いことが書かれていました。
「コスト」を気にする女子学生、「リターン」を気にする男子学生
女子学生には、
・周囲から逸脱してしまう
・結婚、出産のタイミングを逃す(浪人したらいき遅れるという心配)
という「コスト」を気にする傾向がある。
加えて、「浪人するほど野心がある」というイメージは女子には望ましくない、というジェンダーステレオタイプについても書かれていました。
私たちはどうアクションするか?
ここまで、この本で語れている調査結果のサマリを書いてきました。
まずは「課題」を知ること。
そして、私たちはどうアクションするか?を考えること。
特に保護者の視点からは、「根強いジェンダーステレオタイプや思いこみ」が潜んでいることに気づくこと。
現役の学生さんが、非営利団体を立ち上げて、自分たちの違和感をそのままにすることなくアクションしていることには勇気と希望をいただきました。
▼よろしければ、本を読んでみてください。
これからも、私たちにできることを考え、アクションしていきたいです。
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