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移動も旅の一部|2020.07.30(thu)
夕食中、夫が見つけた電車旅の動画を観た。
「スーツ」という乗り物系YouTuberの方が、青春18切符を利用し日本最北端から最南端まで5日かけて移動するというもの。聞き慣れた駅名や懐かしい風景が登場し、ふとフランスにいることを忘れた。
その人の旅は非常にハードで、ほぼ移動で1日が終わってしまう工程なんだけれど、車窓からしか望めないような景色や各地の駅弁の映像に、思わず羨ましさすら覚える。
青春18切符のほかにも、3泊4日150万円の豪華列車旅やファーストクラス記録、飛鳥2クルーズなど、移動や乗り物を楽しむものが多くて、いろんな動画を見漁った。まさにおうちで旅気分…といったところだろうか。
格安飛行機でピューンと旅先に到着するのもいいけれど、私たち夫婦は移動も旅行の1つだと考えている。到着するまでの列車や船、飛行機の中もできるだけ快適にかつ充実した時間を過ごしたい。
船旅なんかは、そりゃいい。2016年に新しくなった小笠原諸島と本州を往復する「おがさわら丸」の動画をみて、落ち着いたら絶対にこの特1等で旅をしようと話した。広い部屋でくつろぎ、たまに窓の外に広がる大海をみて、夜には一切の邪魔のない星空をながめ、船内を探検しながら美味しいご飯を食べる。そうしているうちに、旅先に到着して、また小笠原を楽しむのだ。最高すぎる。
列車の旅もまた、空想が広がる。
何年か前に、オリエント急行に乗りたいね!なんて話して値段を調べて驚いた。これは老後の夢にとっておくつもり…。笑
札幌から上野を走っていたトワイライトエクスプレスも、そのときすでに廃車が決まっていたためなかなか予約を取ることができず、ついには叶わなかった。
車窓の外を眺めるたびに、ここにも人の日常がたくさん存在していることにいつも不思議な気持ちになる。そして私は一生彼らと交わることがないのか…なんて考えたりもする。通り過ぎる一瞬一瞬の景色の中に暮らしがあることを、列車はいつも訴えてくるように思えるのだ。
船旅や飛行機ではなかなかこういったことはない。
船旅に話を戻すと、苫小牧と名古屋の動く旅館のような船旅はなんと3万円ほどで叶うんだそう。ただし所用時間は2泊3日。時間に余裕があり、なおかつ船旅そのものを楽しむ気概がないと、なかなか乗り込む勇気は出ないだろう。安くて早い飛行機があるんだから。
でも私はこの工程も、ちょっといいかもと思った。そして夫に聞いてみると、夫もまた乗り気だった。こういう旅の趣味が合うって小さなことだけれど、幸せなことだな〜と思いながら、空想を膨らませた夜を過ごした。